第 六十一 話
「ねぇ、ハルトとさ、他の人との魔法の違いって何かって言ったら、圧倒的に魔法を使うのが、早いよね。
だって、他の人はさ、願うのに時間が掛かるでしょ。願いを言って、三、四倍、時間が掛かるし。オーラで魔法を使える人なんて、ほとんど達人レベルでしょ、完全に。だから、化物人間と戦えるんだよ」私は、個人的意見を言った。
「百十二歳だからね。毒で灰になって、死んでなけりゃあ。
トキノジョウ兄の力でも、毒の一部が残って年を取らなくなってしまっているけど」
「それと、一般魔法を使える数が多いよね」これも、前から私が自然に思っていたことだ。
「う――ん。その代わり、専門魔法の部類は、あんまり出来ないけどな」
ハルトは、ちょっと残念そうに話す。
料理なら、料理の。医者なら、医者の。農業なら、農業の。専門魔法が使えたなら、その人は仕事場で重宝されるのだ。
もしかしたら、ハルトはずっと十四歳の姿のまんまだから、学びの機会を奪われてしまったのではないかと、私は頭に過った。
するとハルトは、答えになるようなことを、言った。「時間があったから、一般魔法から極めようとしたらこうなった。
まあ、でも結局それは、俺にあった魔法だから出来るようになったのかもしれない」
ハルトにあった魔法…。
これは、何かのヒントになる気がする。私だけが、化物人間を治すことに成功した。ということは、私が使える魔法は特殊って可能性がある…。
この、イメージを深めていけば、化物を治せるのかな、恐らく。悪魔の、取り敢えず困った部分だけ、取り除くみたいな。
続く
化物を治すヒントが、そろってきているね。




