第 五十八 話
「キヨカのことを信用していいのかって…?」
ハルトは、よく分からないことでも聞かれたかのように、私の言ったことを繰り返した。ハルトは、ちょっとだけ、表情が硬い。
「まあ、心配になるのは分かるけどな。俺も、トキノジョウ兄の政治の仕方が気に食わなくて、四十年お城に行っていないからな。
けど、大丈夫。俺は、国王の弟だし。お城のことも、住んでいたから、そこそこ知ってる。キヨカと野原で相談する時に、ある程度、段取りを決めておけば心配に負けずにすむだろっ」
さすが、ハルトだ。天使…。
だけど、いけない。いつまでも、あんまり頼りにし過ぎな感じになってしまうのは…。
私は、ハルトと野原で会話して、思ったのだ。ハルトは、凄い人だけど。累計、百十二歳だしっ。でも、やっぱり人間な訳で。完璧じゃない。私が、しっかり動いたり、助けることもある時もないと、危険で死ぬことだってあるかもしれない。
私に出来ることを。しっかり、役割を全うしたいんだ。だって、きちんと、仲間でいたいから。私は…。
「ハルト。私に、魔法を教えて」
続く
出来ることをフルでやることで、きちんと仲間をやれば、仲間を守ることに繋がる。




