第 四十八 話
「〈弟は、このままだと、毒のせいで灰になってしまう〉
〈何て、ことだ…〉俺の世話係や周りの兵士たちが、悲しげな声を出した。
〈しかし、私ならその力を中和する力を放つことが、出来る〉
〈化物と言われたトキノジョウさんが、兄さん、なのか…?〉
〈そうだ〉
トキノジョウは、様子を見た…。
〈お父さん…そっから、出てきたら、どう?〉
何と、部屋の入口で隠れるようにしていた国王が、出てきた…。
「えっ!!?国王陛下がいたの?毒で弱ってるんじゃ…」
私は、謎過ぎて分からなくなりながら、ハルトに聞いた。
「父は、少し決まりが悪そうにして言った。〈ばれておったか…〉
〈お父さんは、人間の部分が、具合が悪くなってたんだよね…?〉
〈そうじゃ…〉
〈けど、キュウジロウが『悪魔に通じる路』という毒を飲んだから、お母さんの力が届いて、元気になってきたってことだよね…〉
〈ウム。伝説の勇者によって、我が愛する女性悪魔、ジャビコとトキノジョウは五十年前に、人間の世界から追い出され、その連れの伝説の魔法使いによって、入口は完全に閉ざされてしまった〉」
続く
ハルトの父親の国王が愛した、女性悪魔の名はジャビコ。




