第 四十一 話
「〈計画が狂ってしまいましたが、キュウジロウ王子。あなた様からは、ちゃんと上手く毒殺しようと思っておりました。
ところが、怪盗が連れ去ってしまった。ですから、何とかあなた様の居場所を知ろうと、水晶玉の居場所探索をしました。けれど、あれは運任せなとこがございます。
水晶玉の小さな精霊が見ていないと、見られません。怪盗は、そういう者に見られない技術でもあるんじゃないかと思うぐらい探索が出来ませんでした。もちろん、兵士たちにも捜索させましたが、駄目でした。
キュウジロウ王子!ここでも、あたくしの計画は狂いました!あなた様がいないと、国王、王妃を殺すのにも、急に帰ってこられるのではという懸念が出ました。とにかく、あなた様のイメージが上手く出来ないのですから。そのせいで、何年も迷いました。
けれど、決めました。それでも、あなた様を何とか殺せば構わないのだと〉」
何とも、駄目な決意を大臣はしてしまったんだな…。こんな人が近くにいたら恐ろしいと私は、思った。
「大臣は、殺すことしか、考えてないんだな…」と、トツタは言った。
本当に、何でこんなに一人の人間に邪悪さが集中して、そして、その人が大臣になったんだ。そもそも、そういう人がこの世になぜ生まれたんだろう?それも、不思議に感じる。
「〈さて、ここで大事なことを話しますが、あたくしに毒の知識がたくさんあるのを、知られてはまずい人には、今まで誰にもばれていなかったのです〉」
続く
どうすれば、大臣に毒の知識があることを周りにばれずにすむのか?




