表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/165

第 四 話

 客は、ハルトを追い掛けていく。

 ハルトは、客が近づいてくると、離れ、また近づいてこられたら、上手く離れている。

 ハルトは、「お客さん、あんまり、おふざけになるのはよしてくださいよ」とか、「そんな風なことをやっても、人生の何のプラスにもなりませんからね」といったことを言って、上手く逃げている。

「黙れ。お前を必ずや闇の世界へと、連れて行ってくれる」と、男は怒りの言葉で攻める。


 とうとう男は、走り出した。


 ハルトはエプロンの、深いポケットから巾着袋を取り出し、中から手のように枝分かれをした手みたいな枝を出した。

 ピョイ――ンッとハルトはジャンプをした。かなりの高さまで跳ぶ。テントの天井近く辺りまで、跳んだ。枝を落とすと、それが巨大になった。枝の切断部分の方に、ハルトはピョイと乗る。枝の手で、客を掴む。「グッワーッ」男は思わず、呻き声を出した。

「クッ。だがお前を、この腕を伸ばせば、闇の世界に落とせる」

 ハルトは、緊張の高まった顔になる。

 ハルト大丈夫なの?私が心配した次の瞬間、ハルトは平気そうな顔をする。

「伸ばしてみたらいいんじゃないですか?その瞬間、お客さんの腕は、枝が伸びて巻き付かれますけど」

「えっ…」私は想像していなかったことなので、つい、声が出た。

 よく見ると、枝の端が〈ここだよ〉といった感じで、チョイチョイ動いている。

「おっ、お客さんの牛肉料理とビールが運ばれてきましたよ。水も、あります。馬鹿なことはしないで、食べてはどうですか?」

 お客さんは、光の刃で頭を突かれたみたいな、衝撃を受けた反応をした。

「そうだな。俺は大人だからな。そうすることにするよ」

 男は、毒気を抜かれたようになって、普通の人間の姿に戻り、大人しく食事を始めた。


 私は、この店に来て初めて化物人間が襲うのを見た。


 こんなことをして、何の罪にもならないというのはおかしい。だが、そうならない理由がある。

 それは、この国を化物の王が治めているからだ。

 だから、化物人間に甘いのだ。

 それが原因で、子供が働く理由にもなっているのだ。



              続く

一まず戦いは、収まった。ナイスだ、ハルト。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ