第 三十八 話
私は、ハルトの説明を聞いて理解するために、自分の考えを少し、まとめてみた。
『闇の世界』とは、何か?
誰かを助けようとする心が、光の存在の力をもっているということになるから、それ以外の心の不安さは、闇の存在ということになる。
そもそも、誰かを助けなくてはいけないということが、世の不足を意味することになるはずだけど。
つまり、世の歪みが、もう一つの世界を作るということに至ったのだ。この辺は、難しくて説明が出来にくいが、魔法を使えない人にも、自然である魔法パワーがあるとすると、上手く発揮出来ていない力が幽霊みたいになって存在しているということになる。
幽霊の『世界』が『闇の世界』だ。
化物人間になった時、気に入らない人間を闇の世界に連れていこうとするというのは、今までの経験でピーンときた感じで言うと、身代わりではないだろうか?そもそも、あの闇の世界の入口は、自分(化物人間)を飲み込もうとしているんであって、自分はそれを抵抗したいから、代わりに気に入らない人間を闇の世界へ連れて行って自分は飲み込まれないようにしている。と、考えるとやや意味不明な行動にも、意味が見えてくる。
そして、化物人間であるのは、闇の世界へ飲み込まれないようにするための抵抗する姿のようなもので、『鎧』を着ている感じの状態なのだと思う。
大臣は、それが美しくなくて嫌いだと言う。
凄く困ることだから、嫌いというのではないというのが、自分勝手な雰囲気があり、それとあとちょっと話している意味が分からないのが不思議な感じだ。
続く
幽霊の世界から作られた闇の世界は、化物人間や他の人間が出す不安のようなものから、出来ている。




