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第 三十六 話
「大臣は、まるで慈善活動をしているような雰囲気で、微笑んで話す。
〈あたくしはね、この世界から早く、化物をなくしたいんですよ。何で、そうしたいか、分かります?〉
俺には、まるで分からなかった。言われた瞬間は、付き合いが長くないからかどうか、謎だったが…。多分、長くたって無理だっただろう。
〈あたくしは、美しくないモノがとても嫌いなんですよ。少しでも見えるだけで、うんざりします。
だから、殺す必要が、あった。キュウサブロウ王子以外の邪魔者を…。
あたくしの、美しい殺意と華麗な毒を使った、優れた手によってね〉」
続く
大臣の、心が、よく分からない…。徐々に、見えてくるのか?




