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第 三十二 話

「それで、鍵が掛かった木の小箱から、何が出てきたの?」私は、気になっていたことを聞いた。

「ああ、それがな。…大臣は、開けるのを嫌がった。だから、俺はまずい物が入っているんだろうなと思った」

「うん、それで?」私は。話の中の木箱に、何だか嫌な予感がしながらも、さらに聞く。

「大臣は、嫌がったが、俺は〈開けろ〉と、命令をした。

 大臣は、小箱を開けた。中から、透明な瓶に入った黄色い液体が出てきた。

 俺は、一応聞いた。

〈中身は、どういう物だ?〉

〈こ、これは…け、け、健康になるための、飲み薬です。非常に高価な物なので、お、お返しくだ…さ……い…〉

〈魔法薬学博士のとこへ、持って行く…〉

〈待てっ!…キュウジロウ王子〉

 叫んだのは、見ると、俺がいなければ、王の跡継ぎに選ばれるはずだった、大臣の孫で俺の腹違いの弟、キュウサブロウ王子。キュウサブロウ王子が俺を、怒りをはらんだ目で見ていた」



           続く


怒っているところがありそうな、キュウサブロウ王子。この後、何が、起こるのか…?

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