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第 三十 話
「ヘクシュッ…」ハルトは、くしゃみをした。
そういえば、蛇皮ジャケット男と戦ってから、話すのに夢中になって、服を乾かしていなかった。そこまで酷く濡れていなかったので、忘れていたのだ。
また、ハルトが水を空へと、帰す魔法を使った。
蛇皮ジャケット男にもハルトは、少し距離を取って魔法を使ってあげた。
「ありがとよ。…しかし、こんな気が利く魔法を使えるってことは、大体の、あったら便利な魔法は使えるんじゃねーのか?」
「俺が使えるんだとしたらそれは…例えば椅子に腰掛けている『奇跡』に話し掛けて、少しだけ動いてもらっているってだけのものだ…」
続く
ハルトの魔法は、『奇跡』に話し掛けて動いてもらうような、ものだった。




