第 二十九 話
「〈怪しいと思われる食事係の荷物から、毒だと思われる物が発見されました〉と、兵士が報告にやって来た。
〈じゃあ、直ぐにこのメモの場所にいる魔法薬学博士に、この毒薬を見てもらってきて。万が一襲われるといけないから、たくさんの人数で行って〉と、伝えた。
あらかじめ、毒を使っていることは、もう知っていたので調べてもらう人を考えておいた。
〈大臣は、動かないでくださいね。さあ、こっから、誰も立ち去らないように〉
だから、急いで、釘をさした」
ハルトは、十四歳の時も、結構、優秀な感じだ。この後が、大変そうではあるけど…。
「一時間半程して、兵士たちが戻ってきた。
〈毒薬だそうです。間違いなく。博士が、分かりづらい毒薬なので、国王を検査するそうです。それと、途中兵士が何人か襲われてしまい、負傷しましたが大人数で行ったため、何とか無事です〉
〈御苦労様。本当に、よくやった〉
俺は、兵士たちが頑張ってくれたことを、心から感謝した。死人が出なくて良かったと、思った。
そっから、四、五十分、また、経った。
〈同じ毒薬だということが、分かりました〉
これで国王の身の危険は、取り敢えずはなくなった」
だけど、まだ大臣をちゃんと倒さないとまた、危ないよね。どうにか、白状させられれば、いいんだけどな。
「〈大臣。繋がりのある者が、毒薬を持っていた。当然、あなたへの嫌疑も出る。あなたの部屋を調べさせてほしい〉
〈調べたければ、調べなさい。あたくしは、あの食事係とは無関係です〉
そして、大臣の部屋を調べることになった。ところが、毒らしい物は何も出てこなかった。もう出てこないんじゃないかと、諦めそうになった時、大臣の部屋から鍵が掛かった木の小箱が出てきた」
続く
この、木の小箱が何なのかが、問題だよね。




