第 二十七 話
「多分、王妃のお母さんは、熊人間の御両親を見ていい人に違いないって思う部分があったんだろうね」
そうじゃないと、子供をあずけようって、思えなさそうな気がする。
「とにかく、俺は血の繋がり魔法鑑定で、国王と実の親子だということが、判明した。でも、その時は何も分からなかった。…大臣が父と恐らく母に、毒を盛っていたなんて」
ハルトは、嫌な記憶が目の前にある感じで語った。
「普通だった。大臣は…。
城のことが全く分からない俺に、むしろ親切にしてくれた。まあ、こんなことは城の中での権力争いがドロッドロする時ぐらいしか、そうは起こらないんだろうけど。親切にしてくれたことで、俺の世話をする人がどんどん、大臣と繋がりがあるものが入ってくるようになった。
城の庭を散歩していると、大きな物が倒れてきたり、珍しい物があると言われて入った小屋に狂暴な獣がいたりした。
城の窓から、景色を眺めていた。大臣に、景色がいいと言われたからな。
そしたら、急に、背中を押されて、突き落とされた。
何とか窓枠の下の部分に掴まったが。その時、助けてくれたのが使用人に変装をしていた熊人間の父親だった。
ピンチの時、父と母交替で救ってくれていたそうだ。だから、それを聞いて心強くなった。
そして、助けてもらった時、大臣が犯人だと分かった。それで、両親が城の中を色々探って、国王に毒を盛っていることに気付いた」
うーん、ということは大臣を何とかしないといけないよね。でも、大臣て本当に悪人だから、倒すとしても難しそう。
「で、俺の行動がまずかった。
どうしても大臣を許せなくて、王族と家臣の食事会で問い詰めてしまった」
それは、まずいよハルト。そんな、まずいことしたのか。
許せない気持ちは、分かるけど。
続く
この後どうなるんだ……?




