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第 十八 話
「水よ。二人の服を濡らさずに、空へと戻っていけ」そうハルトが言うと、服の水は、まるで小さいガラス玉が豆の形のような感じのように、まあまあの数くっついて、空へと飛んでいった。
「走って帰っても、風邪ひきそうだからな」ハルトは、そうなるのが当然といった感じで、言う。
「早く、敷物被れば良かったね」そんな余裕なかったけど、そう出来たら良かっただろうなと思って、私は言った。
「そんなにパワー使わないけど、まあ、そうだな」ハルトは私の言葉に対して、返事をした。
「魔法、便利だけどね」私は、さっきの魔法を思い出して話した。
「お二人さん。邪魔だから、この国から出ていってもらっても、いいかな?」
見ると暖かい所にいそうな、茶、黒、白辺りの色の蛇皮のジャケットを着た男が、ニヤニヤ笑いながら話し掛けてきた。黒い傘を、差している。
見掛けで決めるのは良くないけど、話の内容からして、友好的な人間とも思えない。
一体、何者なんだろう?
続く
この男は何者なんだ?本当に。




