第 十三 話
「お客さん、ありがとうございました」ハルトが、お見送りをする。
戦士の持ち主の人が帰る。
私も、お礼を言う。「ありがとうございました。助けても、もらいましたし」
「いえいえ。アキさん。あんなことが、出来るなんてね。君のお陰で、お婆さんは化物人間から、普通の人間になった。もちろん、ハルト君の力もあるけど。素晴らしいことをしたって思うよ」戦士の持ち主は、感心した感じで言う。
今さらだが、戦士の持ち主の姿は、普通の町にいる人の格好をした、オジさんだ。
「私のお陰じゃないです。やっぱり、ハルトが、お婆さんに本気で向きあい、ぶつかってくれて、気持ちを伝えたから、心が動いたんだと思います」
「アキ…」と、ハルトが私を見る。心が通じ合っている、気がする。
その後、お婆さんのお見送りもした。
そして、私とハルトは汚れた服を着替えるために、移動する。ハルトは、私を守るために戦ってくれた。それに、お婆さんに私が怖い思いをしたことを、訴えてくれた。だから、お婆さんの闇の世界を消すことが、出来たのだ。
「ハルト…」
私は、ハルトの腕に抱き付いた。
「な、何だ…」ハルトは照れて、嫌がりもせず無口になった。もし、嫌なら「困るよ。そういうことするのは」ぐらい、ハルトは言うだろう。
ハルトは、誰だって助けるんだろうけど。そして、恋仲になったらどう過ごしたらいいのかまだ、分からないけど、好意を表現してみた。
「ありがとう」私は、伝えるハルトに。
「ん、ああ」ハルトは、短く答える。
そっから私は「あそこまで、競争ね」と言って駆け出した。危なくならないような、感じで。
続く
まだ、恋人未満の二人。どうなるのかな?




