第 十二 話
「…さっきは、すまなかったの」
しばらく、夢中でシチューを食べていたお婆さんは、パンを少しゆっくり食べ、落ち着いたのか、そんなことを口にした。
私は、お婆さんが、どう考えているかが分からず、嫌な状態のままで去ってしまうのではないかと不安になっていたので、有難いと思いつつ驚きを感じた。
「食事は、楽しく食べてくださいね。きっと、そんな毎日が、あなたの人生を明るくしますから」私は、率直に言った。これは、私の想い出が関係しているかもしれない。
「そうじゃの…」お婆さんは返事をして、ニカッと笑った。
すると、お婆さんの目から、ゴォッ、ゴロゴロと黒い玉が一遍に現れたのだった。
黒い玉の現れ方はちなみに、目から小さい種みたいなのが出てきて、バッと大きくなる感じだが。
黒い玉は、空中で弾む。それから、お婆さんの背後に闇の世界の入口が急に、出ている。
そして、黒い玉は白く光って、闇の世界へと入って、闇の世界への入口はそのまま…。
「消えた」呟いて、私は、口をあんぐり開けた。
「なんじゃ…そんなことあるのかの…」お婆さんも、驚いている。
続く
闇の世界への入口が消えた……。




