第 十 話
「ハルト君。君は、化物人間のお婆さんの攻撃を素早く、封じた。負けはしないだろう。君は、だがね」
戦士の持ち主の男性は、正論で責める。この、お客さんの闇の世界の入口は、空間が波をうってはいるが、開かない。
「あのー、黒玉を返してくれんかの…?」
お婆さんは、自分の目から出た黒い玉を、ハルトから返してほしいようだ。角や牙も引っ込んで、元の状態に、戻っている。
ハルトは、私に相談をする。
「あの玉は、しまい場所にも困るし、アキに危害を加えないことを完全に約束させたら、返そうかなと思っていたんだ。どう?」
「ええっ…。何もしないって本当に約束するなら、いいよ」
この国は、化物人間に甘いからな。きちんと、法律とかで、何かしらの罰をあたえてくれた方が、いいんだけど。
「まあ、返さないと、そのうちお婆さんのバランスが崩れて、闇の世界の一部になってしまう。攻撃部位は、そうならないためのストッパーの役目がある」
戦士の持ち主は、知らなかった話を教えてくれた。
続く
化物人間の攻撃部位が、なくなってしまったら闇の世界の一部に、状態のバランスが崩れてなってしまうのか…。




