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第514話 『この後の私とミャオの予定』(▼アテナpart)



 私とルキアとルンは、ブレッドの街にあるコナリーさん夫婦が営む素敵な喫茶店で、最高の珈琲と甘くて美味しいケーキを堪能した。そして、その後は珈琲専門店で楽しい買い物を終えて、ピザの美味しいお店で晩御飯を食べた。


 今は、皆と合流すると決めていた宿に向かいチェックインを終えたところ。


 宿に着くと既にルシエルやノエル、マリンにミャオとクウとシェリーは到着済みで、それぞれ部屋を借り終えているようだった。


 私達が宿に着くのを今か今かとロビーで待ってくれていたミャオとクウ。



「それにしても、遅かったニャー。色々と楽しめたかニャ?」


「うん、楽しめたよ。ブレッドの街はエスカルテの街からそれ程離れてはいないけど、来るのは本当に久しぶりだから凄く楽しかった」


「そうニャっけ?」


「そうだよ。冒険者になってからは、ここへは来ていなかったからね。でも、やっぱりこの街はいい街よね。何処を歩いていても珈琲のいい匂いとケーキの甘い香が漂って来るし」


「そうニャンニャー、そうニャンニャー。ブレッドの街はとてもお洒落な街ニャンニャ」



 ミャオと話をしていると、その隣でルキアとルンもクウに何をしてきたのか色々と聞かれていた。


 するとルキアと興奮気味のルンは、喫茶店でお茶した事や買い物した事、美味しいピザを食べた事をクウに話して聞かせていた。クウは、二人の話を聞いて手を合わせながら、驚いたり羨ましがったりと豊かな表情を見せる。でも、クウの方も色々とあったように感じる。



「それで、ミャオの方はどうだったの? 商売は上手くいった?」


「ニャハハ! それがニャンと上手くいったんだニャー。やっぱり少しお店を休んだとしても、この街まできて大正解だったニャー。知り合いの商人がいるんニャけど、もう商品を全部引き渡してきたニャー。それで、買取価格がニャカニャカに高額で話がついたんニャが、金額が金額ニャから代金が直ぐには用意できないそうニャンニャ。明日用意できるみたいニャから、昼過ぎにまたその取引先の商人の店に行く事になってるニャー」


「そうなんだ。それなら、明日もこの街に滞在するって予定でいいのかな?」


「ニャニャ? そのつもりニャが、なんでニャー? アテニャ達は、もう行っちゃうニャ? パスキア王国に行くまではもう少し時間があると思っていたんニャけど」


「ううん、そうなんだけど……」



 私はミャオにコナリーさんの喫茶店での出来事と今後の予定を話した。


 今晩はこの宿に宿泊し、明日の早朝には宿を出てコナリーさんと一緒に街の外へ出てキャンプする。それでそのまま、そこで一日過ごしたいという事。だから、明日早朝にここを出たらこの街に戻ってくるのは明後日になるという事だった。



「ニャンだ。別にいいニャよ。ニャー達もニャんだかんだ取引に時間がかかるニャ。だから、それでいいニャ。それに、ニャーの用事が済んだらアテニャ達はどうするニャ? そのままの足でパスキア王国へ向かう予定じゃなかったのかニャ」



 うっ! 今はそこまで考えていなかった。でも言われてみれば……とりあえずそんな感じでいいと思う。


 一週間時間をもらって、それからパスキアへは向かうとは言ったけれど、あまりに到着が遅くなるとパスキア王国側の人達を待たせる事にもなってしまう。


 外交的なものも当然あるだろうし……なんと言ってもエスメラルダ王妃がうるさいしなー、うーーん。



「うん、そうだね。あはは、そのつもり。ミャオの言う通りだよ」


「やっぱりそうかニャ。だったらニャーもアテニャの都合に合わせるから気にしなくても大丈夫ニャよ」


「ありがとう、ミャオ」


「いいニャ、いいニャ。それで明日のキャンプはルキアとルンを連れて行くんニャ?」


「うん、そのつもり。だから、今日は早めにシャワーを浴びてベッドに入らないと。朝も早いからね。ルシエル達が出てこない所を見ると、もう休んでいるんでしょ?」


「ルシエルとノエルは、色々と酒場を巡り歩いてきたらしくてもうベロベロニャ。宿に着くなり、部屋で転がっているニャよ。さっきも覗きに行ったけど、気持ちよさそうに二人とも眠っているニャ」


「マリンとシェリーは?」


「マリンは、何処かでいい本を見つけてきたらしくて、宿に着くなり部屋に籠って読書中ニャ。シェリーは普通に武器の手入れをして休んでいるニャよ」


「そうなんだ」



 皆、思い思いに楽しんで休んでいるのだ。それじゃ、私達も……ルキアが私の方へ来た。



「アテナ、お願いがあるんですが……」


「なーに?」


「もちろん、明日は一緒にコナリーさんとのキャンプに行きたいんですが……クウも誘ったらクウは、ミャオさんと一緒に取引に行くって……だから、今日はクウとルンと一緒の部屋で寝てもいいですか?」


「うん、いいよ。変な遠慮なんかしないで、ルキアのしたいようにしていいんだよ。じゃあ私は、久しぶりにカルビといちゃついちゃおうかな」



 そう言ってにこりと微笑んだ刹那、ビクっとしてしまった。ある事に気づいたから――



「あれ、そう言えばカルビは?」


「え? そういえばカルビ……私も見てなかったですが……確か……」


「ニャ?」



 ルンが眠たくなってきているのか、目を擦りながら言った。



「カルビは、コナリーさんのお店を出た時からいないよ。アテナが帰ってくるって言っていたけど、帰ってきていないんだけど」



 そうだった。そう言えばそうだった。そんな事があって、そんな事を言ったような気もする。


 カルビの事だから、私達を置いて勝手に街の外に出るというような事はないとは思うのだけれど……兎に角、もう夜も遅くなってきているし探しに行かなければと思った。

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