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第246話 『新たなる仲間』 (▼アテナpart)




 ロッキーズポイントを出発し、このノクタームエルドに足を踏み入れて、かれこれもう何日経つだろうか。


 大洞窟。美しい巨大な地底湖でキャンプをし、吹き抜けがあって、薬草などが自生するという場所にも行った。


 そして、久しぶりに大空を見て外の空気を吸った。


 このノクタームエルドにも幻想的な場所があって、綺麗な場所も沢山あるとは思ったけれど、私達が産まれ育った大空のある外の世界は言葉にできない位に美しいと改めて思った。



「さあ、ここを抜けるといよいよドワーフの王国だよ! 準備はいーい?」



 洞窟内なので、道と言う表現でいいのかどうか解らないけど、ミューリが私達の行く道の先を指さした。



「いよいよなのね、凄く楽しみ」



 ルキアがミューリとファムの方を振り返って言った。



「でも、ミューリさんとファムさんは、馴染みの場所なんですよね」



 ミューリがにこりと笑って答える。



「そうだねー。僕らの産まれた所は、ノクタームエルドではないけど、幼少の時からここには住んでいるからね。冒険者風に言うと、僕らの今の拠点だね」


「ファム達にとって、もうこの辺りは庭のようなもの。でも、時折危険な魔物もうろついている。だから、ドワーフの王国に到着するまでは、油断禁物」


「そうだったんですねー、でもお二人がいると心強いですよね」



 ルキアは、ミューリとファムに私達のパーティーに正式に仲間入りしてほしいと思っているようだった。でもそれは、私も一緒だしルシエルもきっとそう思っている。



「そうね。しかも、ルキアはファムにこのノクタームエルドの動植物の事や、風属性魔法の事やら色々と教わってたみたいだしね。二人が一緒にいてくれて本当に心強いし、勉強にもなったよね」


「はい。本当に色々と教わりました。ミューリさんとファムさんは、本当に色々な事を知ってますし、強くて優しくて……できれば、このままお二人とも私達のパーティーに加わってもらって、この先もずっと一緒に冒険出来たらなーって思ってます」



 ルキアのその言葉は、彼女の表情を見れば誰でも本心で言っている事は容易に理解できた。


 だから、ミューリもファムも、ルキアのその言葉に本当に嬉しそうな表情で返した。



「ありがとう、ルキア。仲間に誘ってくれて、ファムは嬉しい」


「僕もだよ、ルキア。僕もルキアやアテナ、ルシエルにカルビに出会えたことはこの上ない喜びだよ。こんな気の合う仲間、ギブンやノエル以外には初めて会うしね」



 そう言えば、ミューリ達は姉妹ユニットで『ウインドファイア』って名乗ってたんだっけ? しかも、以前はもう一人仲間がいてユニット名は、『アース&ウインドファイア』って名乗っていたって聞いた。


 キノコ採取依頼やアシッドスライム討伐依頼の時にも、一緒に行動したドワーフのギブンさんとも組んでいたみたいな事を言っていたし、そうすると4人パーティーだった?


 どちらにしても、今は姉妹二人。この赤髪と緑髪のマッシュヘアの可愛い二人が私達の新たな仲間になるのであれば、凄く嬉しい。


 横で話を聞いていたルシエルも、笑顔で頷いている。


 ルキアが、思いきって言った。



「じゃあ、私達の仲間になってくれますか?」


「ありがとう、嬉しいよ。でもその返事は、ちょっと待って。僕らにはまだやらなくちゃならない仕事が残っていてね」


「冒険者ギルドの依頼ですか?」


「それもあるけど、言った通り僕らはドワーフ王に凄くお世話になっているからね。ドワーフ王からの直接的な依頼もあるんだよ」


「ファム達にとって、このノクタームエルドはもう第二の故郷みたいなものだし、今までも冒険者の活動も、この国ばかりでやってきたから、いざ外の世界へ旅立つというのは、なかなか勇気もいる。だからもっとよく考えてから、返事をしたい」


「そうですか……」


「気を落とさない、ルキア。私もミューリとファムが新しく仲間になってくれればいいなって思っているから。だから、一緒に期待して返事を待っていようよ」


「……はい。そうですね! 私、ミューリさんとファムさんのお返事を待ってます」


「へへへ。なるべく早く返事をするからさ、ちょっと待ってて」


「それと、パーティーを組むかどうかは別として、ルキアはもうファムとミューリの親友。だから、呼び捨てで読んで欲しい」



 ファムの言葉にミューリもうんうんと頷いている。ルキアのちょっとがっかりしていた表情は、またパアアっと明るくなった。



「はい! ファム! ミューリ!」



 ミューリとファム。二人の言っている事はもっともだった。


 彼女達には、彼女達の都合がある。でも、もしも二人が仲間になるのであれば、私自身もワックワクだなと思った。


 パーティーのフォーメーションだって、私とルシエル、ルキア、カルビで前衛を受け持ってミューリとファムに後衛を任せる事ができる。


 因みに【アーチャー】で【精霊魔法使い】のルシエルがなぜ前衛かというと、それは完全に私自身の独断と偏見で決めている。


 それにルシエルの気性自体は、絶対前衛な感じがするし。初めて出会った辺りから、そう感じていた。それを立証する為、ルシエルに声をかけてみた。



「ルシエルって前衛か後衛かで言ったら絶対前衛だよね」


「なんだそれ?」


「戦闘時のフォーメーションよ。ルシエルって弓や精霊魔法を使用するけど、どちらかというと接近戦を好むでしょ?」


「おん? それならいつだってオレは、オールマイティーだぜ。離れて良し。近づいて良しの、オールラウンダー! ルシエル・アルディノアだ。フヘヘ」


「フヘヘって……」



 楽しいお喋りに花を咲かせていると、先頭を行くミューリが立ち止まった。


 なんと私達の目の前には、断崖絶壁が広がっていた。


 崖下は真っ暗で何も見えず大穴になっており、もしもそこへ足を踏み外して落ちたなら、絶対助からないだろうと思える程のものだった。


 この先に、ドワーフの王国がある。








――――――――――――――――――――――――――――――――

〚下記備考欄〛


〇アテナ・クラインベルト 種別:ヒューム

本作品のお転婆ヒロイン。Aランク冒険者であり、クラインベルト王国の第二王女でもある。物凄い剣の腕前を持っており、二刀流を得意とする。クラインベルトでルシエル、ルキア、カルビを加え――ノクタームエルドで新たにミューリとファムという冒険者の姉妹を仲間に加えドワーフの王国を目指す。いよいよノクタームルドでの冒険の一番の目的地ドワーフ王国。何がアテナ一行を待ち受けているのか。


〇ルシエル・アルディノア 種別:ハイエルフ

Bランク冒険者でアテナの仲間。エルフの中でも、特に精霊力の高い一族であるハイエルフである彼女は、もちろん精霊魔法を得意とし森の守護者や知恵者と呼ばれるエルフの代表的な弓の、名射手でもある。しかし、肉が大好きで食いしん坊、大雑把でお調子者な性格だった。昔からの言い伝えでドワーフとエルフは仲が悪いと言われているけど、いよいよドワーフの王国に入国する事になるが問題など起きなければいいが……


〇ルキア・オールヴィー 種別:獣人

Fランク冒険者でアテナの仲間。獣人達が暮らすカルミア村の出身で、猫の獣人。真面目で正義感が強く優しい女の子。リアという妹がいて、妹はアテナの妹ルーニと親友になっている。ルキアは、妹は賊に殺されたと思っているが実は生きていて、リアの方はそれを知っている。現在、リアが生きている知らせをマリンガ持って接近中なのである。


〇カルビ 種別:魔物

ウルフの子供。表向きはルシエルの使い魔という設定だが、正真正銘アテナの仲間。三角の耳と尻尾、肉球など可愛いとアテナ一行のマスコット的な存在と化している。可愛いコンビとしてルキアとセットにされる事もしばしば。頑張れカルビ。お前は偉大なウルフの子供だ!


〇ミューリ・ファニング 種別:ヒューム

赤い髪のマッシュヘアが可愛らしい女の子。ノクタームエルドでは有名な凄腕冒険者で、妹のファムといつも行動を共にしている。火属性魔法のスペシャリストだが、武器の扱いはあまり得意ではない様子。アテナ一行に同行し、一緒にドワーフの王国へとやってきた。


〇ファム・ファニング 種別:ヒューム

緑色の髪のマッシュヘアが似合う女の子。ノクタームエルドでは有名な凄腕冒険者で、姉のミューリといつも行動を共にしている。風属性魔法のスペシャリストで、上位魔法から下位魔法まで巧みに使いこなす。博識で色々な事もよく知って、興味のある事を尋ねられると普段は無口な方なのに、急に饒舌になる。地底湖のキャンプでは、魔法を教えろとルシエルにやったらアカン所に水着を喰い込まされた。

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