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第六力 腕力③

 優里は善一郎のところに戻って来ると、「大丈夫ですか?立てますか?」と聞いた。

 善一郎はポカンとしたまま優里を見ていた。

 優里は「誰か来ると面倒なので、一先ずここを離れましょう。」と言った。


 善一郎は、優里に促されるまま近くの公園まで行った。

 公園につくと、優里が「私、黒飛優里と言います。助けて頂いてありがとうございました。」と言った。

 そこで我に返った善一郎は、「あっ、いや、どっちかと言うと助けられた感じがしますが、中里善一郎です。」と挨拶した。

 善一郎は、優里がどうやってあの男たちを気絶させたのかと聞いたが、優里は「さっきのことは誰にも言わないでくれますか?今度ゆっくり説明しますので、今晩はもう遅いのでお礼だけ言わせてください。」と言って頭を下げた。

 優里は、すぐそこのコンビニエンスストアでアルバイトをしているので、時間があれば尋ねてきて欲しいと言い残し、夜道を一人で帰っていった。

 善一郎はもう、一人で大丈夫かな?とは思わなかった。


 後日、善一郎は優里を尋ねた。

 聞くと、優里は善一郎と同じ大学に通う学生だった。

 二人は大学の食堂で一緒にご飯を食べるようになり、大学を卒業するころには、将来を誓いあうようになった。


 善一郎が優里から聞いた秘密は、『腕力』が異常に強いということだった。

 優里の話では、体のどこかの能力が異常に高いポテンシャルを持っている人は、結構な数いるが、その中で自分のどの能力が高いのか気付いて、更にその力を覚醒させる人はほとんどいないとのことだった。

 優里の実家である黒飛家は、代々その能力を見極めて覚醒させることに長けた家系で、中でも優里はたまたまその能力が『腕力』という分かりやすいもので、それほどの苦労もなく覚醒させることができたという。


 ☆☆☆


 善一郎が話し終えても、善助は口をポカンと開けたままだった。

 口を開けたまま、自分の両隣に座る父と母を交互に見た。

 「えっ・・・、笑うところ?」と善助は聞いた。

 「いや、残念だけど冗談じゃないんだ。善助の脚力がすごいのも知ってたよ。」と父は言った。

 両親に担がれているのか、自分の能力の真相が判明したのか、善助は戸惑った表情で聞いた。

 「お母さんは、その能力を何かに使うの?僕はこれからどうすればいいの?」

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