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噛み痕から流れる血の色は
オメガバースの世界というのはこんなにも弱いものだったのか。この世界にΩがいるからαがいるんだろう。そのΩの為にαが生きていくなんてあってはならない。
αは常に強者でなけれなならないのだから。
だが強者であるはずのαがΩに人生を狂わされることは少なくない。番になんてなってしまったらαはΩに溺れる。
番とは1対1の関係であるはずだ。
その関係が崩れかけている。
一人のΩの存在が特別な血の持ち主だった。その血を持つΩは気にしないで番を作った。そして番になった相手の種をもらって産まれた子は番を作る数に制限がなくなってしまった。
オメガバースの世界が崩れた瞬間だった。
だが、特別に番った相手が死んでしまえば自分も死にたくなる。
そんな世界のオメガバース。