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96話 オムレツと行列 ーケイサイドー

9時。

今回った時間だ。

この少し前に起きた俺は朝飯食べるべくシルと移動してる。

兄貴とジンの様子を見にもいったが二人とも既に部屋にはいなかった。


「二人ともどこかに行ったんスかね」

「どうなんだろうな、ジンはこの後デートにいくんだろうしそんな遠くに行かないだろう」


多分近場で買い物してるのか、朝飯食ってるのか。

俺達より早く起きたんだろうな。


「ジンにライジングサンズの食材は頼んでるって兄貴が言ってたし、なんか作ってたりてな」

「調理場に誰もいなかったら食堂でなんか食べるッスよ」


そういうことを考え、兄貴とジンがいそうな調理場に向かっているんだが、やけに人とすれ違う。

昨日はすれ違うほど人は居なかったんだが。


「……ケイさん、調理場に何か人が並んでるッスよ?」


シルが話す通り、調理場前に何故か何人か並んでいた。


「マジかよ……何の列だこれ?」


俺の言葉に近くの人が反応する。


「どうやらオムレツが格安で食べられるって話があって並んでるんですよ。その出来が凄く綺麗で食堂の料理長も手伝ってるらしいんです」

「オムレツが格安で?」

「その話が宿屋内で広がって列が出来ているんです。焦げ目なく、半熟のフワトロって話ですよ?好みで固く焼いてくれたりとかしてくれるみたいですよ。しかも長身のイケメンさんが作ってるとかでこうなってるんです」


俺とシルは教えてくれた人に感謝を述べる。

そういう話を聞いたら食べたくなるな。


「俺達も並んでみるか?足りなかったら別の所で食べようぜ」

「そうするッス!フワトロッスか……!熱いッスね!」


二人で列に並んでみることにした。

食べ終わってすれ違う人達が満足そうに通りすがるのを見て期待する。


「それにしても何で調理場で列が出来るんだろうな?食堂の料理長も普通に食堂でやればいいのにな」

「料理……調理場……もしかしてジンさんが作ってたりしてそれが宿屋の中で広まったとかなさそうッスか?」

「まさか……ジンがお人好しとはいえ、そういうことをおおピらにやるか?」


二人でそんな話をしながら並んでいくと、作ってる人の声が聞こえてくる。

……聞き覚えがある。


「これどうでしょうか?」

「おお……なかなか綺麗に纏まってきたじゃないか」

「有難いございます!お待たせしました。オムレツ二人前です」


少し列から横に出て確かめるとジンと兄貴、エプロンをつけてるオッサンが集まってオムレツを作ってた。

何だあの光景は……


「ジン、意外と出来るもんだろ?それにしても、料理長のトマトソース、凄く美味しいですね。ガーリック入ってますか」

「ああ、トマトとガーリックの組み合わせって合うだろ?いやぁ二人とも筋がいいな!俺んとこで働かないか?即戦力として受け入れたいな」

「何してるんだよジンに兄貴」


ケイに思わず列を頼み、二人に話しかけていた。

いや、マジで何してるんだよ。


「ケイ、起きたんだ、おはよう」

「ああ、おはよう……じゃねぇよ?どうなってるんだよこれ?」

「俺が説明する。ジンはそのまま作ってくれ」


ジンはそのままオムレツを作り始めた。

熱したフライパンにバターを入れ、馴染ませたら手際よく卵液を流し込んでいる。


「すげー手際いいな、いや、元々手際よかったけど、話を聞かせてくれよ兄貴」

「ああ、二人でオムレツ作ってたら子供が見てたんだ。練習で作ってたやつをあげたらその子の両親に話がいって、今度はその両親から友人を伝っていったらこんな感じにな。騒ぎを聞いた料理長と宿屋の責任者にも耳に入って材料費と材料は持つから作ってくれ、と言う話になった」


と言う話になったじゃねぇよ兄貴。

色んな人を巻き込んだ軽いイベントみたいになってるじゃねえか。

すみません、今日ソシャゲのガチャで爆発したので明日はお休みさせて下さい。

明後日は更新します。

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