9話 待ち時間 ーマーヤサイド④ー
「…ーヤ、起きなってマーヤ!」
私を呼ぶ声がする。
思い出に更けていた私はいつの間にか瞼が落ち、眠っていたようだった。
「よく眠れたね、ギルドセンターで」
「あ…ごめんなさいタミーさん…」
「まぁ仕方ないね、ここ激戦続きだったし、マーヤの負担も大きかったからね」
タミーさんは同性ということもありそこまで仲が悪くはなかった。
最近はたまにこうして気を使ってくれたりする。
気遣いは私自身凄く嬉しいのだけれど。
その気遣い、少しでもいいからジンに分けてあげて欲しかったです…
「ギルドマスターからのお呼びだそうよ、一時間ほど所か数時間も待たして…忙しいのはわかるけどもうちょっと考えて欲しいものね」
「それほど忙しいってことですよタミーさん、少しゆっくり出来て私はよかったですよ」
「そりゃ、ゆっくりは出来たけど、私は杖を新調する時間にしたかったね、さて、ギルドマスターと話をしましょうか」
「こんなに待つなら飯食べてからでもよかったのによ…たく」
タミーさんの後ろに私は着いていき、その後ろから愚痴を言いながらのワイルドさん、ターキーさんが追う形になる。
数時間待たされたってことは…ジンと別れてかなりの時間がだった…
もうこの街にはいないだろうな…
この周辺の魔物は強いから、遭遇しないで抜けられればいいんだけど…
「ジン…」
パーティの最後尾にいつもいた彼の姿はどこにもいない。
それだけで改めて思い知らされる。
ああ…本当にいないんだ…
心が締め付ける感情を抑え込む。
そして、したくないジンの脱退報告に私達は向かった。
次ジンサイドのはず
というよりマーヤサイド切るタイミングがわからなかった…