79話 ジンの覚悟
「考えさせてくれか……。考えがあるなら理由を聞かせてくれないか?」
怒りでもなく笑うでもなく、真剣な表情でリュウさんは理由を問う。
「銃に重さを感じたんです」
「重さ……?」
「さっきのリュウさんの話を聞いて、銃に重みが乗っかったように感じました。この銃にリュウさんの思いが乗った気がして……俺にこの銃の引き金を、仲間を守るために引き金を引く覚悟があるのか……って問われてる気がするんです」
「覚悟が持てないか?」
「それを確認する為に1日考えたいです。ライジングサンズのメンバーが前衛して、後方から俺が放つ銃弾が飛ぶんですよね。リュウさんはこんな俺を信頼して銃を預けてくれようしてくれました。期待に応えたいですが、ケイたちにも信頼して貰えるか、それを含めて俺が覚悟出来るか確認がしたいんです」
今の俺の考えをリュウさんに伝える。
少し考え、口を開く。
「そうか、1日でいいんだな。いや、食事を持ってきてくれていきなりいう話ではなかったな。でも、真面目に考えてくれてよかった。即決する判断も必要だが、自分自身だけで無くケイ達のことも考えてくれるなら俺自身、嬉しい。でも明日デートだろ?考える余裕あるのか?」
デートって……リュウさん、彼女じゃないですよ
「マーヤにも聞いてみたかったんです。この後食事をとった後でも聞いてみようと思ったんです。クリアアトランティスでは彼女が一番信頼出来る人ですから……あと彼女じゃないんでデートではないです」
「彼女なら肯定する未来しか見えないと思うんだけどな。後なジン、女性と二人で出掛けるならデートだ」
「そうでもないですよ。ダメならダメっていってくれる子だと思いますが。デート……ですかね……」
「本当に信頼してるんだな。そしてデートだ。しっかり楽しんでおけ。そういえばジンは食事を取ったのか?」
かなり真面目な話だったのに途中から話が可笑しくなった気がする。
でもしっかり考えて納得出来る答えを用意したい。
そしてデートか……
「すみません、実はまだなんです」
「そうか、なら話は終わりだ。彼女も待たせてるんだろ?……ついでに俺も彼女にジンについてもう少し話を聞いてこよう。一緒に調理場に行こう」
リュウさんは残していたサンドイッチを頬張り、部屋を出ていく準備を始める。
「唐揚げは食べないんですか」
「これは夜食用だ。今日中に何個か形にしておきたいものがあってね」
さっきまで銃を造ってた……いや、この街についてから殆ど休んでないはずなのに体力は大丈夫なのだろうか。
「リュウさん、無理しないで下さいよ?リュウさんが倒れたら皆困りますから」
「大丈夫だ、俺が倒れた所で慌てる程やわじゃないさ。でもありがとう、適度に休んでるから大丈夫だ。それとその銃はジンが持っていてくれ。弾は入ってないし、安全装置は付いてるから大丈夫だから眺めるなり握ってみるなりしてもいい。ホルスターも渡しておくからこれで銃をしまっておくといい」
リュウさんがホルスターを2つ渡してくれる。
……2つ?
「リュウさん、ホルスターが2つあるんですけど……」
「当たり前だ。もしガンナーになるなら最終的に2つ同時に扱ってもらうから……ってももう1つはまだ調整してるから渡せないけどな。ホルスターだけ先に渡しておく」
なんだって……?2つ同時に扱ってもらう……?
2丁拳銃……だと……!?
ただでさえ拳銃は両手で支え、拳銃の射撃時の反動を抑えると聞いていたのに2丁……!!
「言いたいことは分かるが、最終目標と思ってくれていい。とりあえず今は調理場だ……何故か嫌な予感がする」
「嫌な予感?」
「……ケイ達が羽目を外しすぎなければいいが」
嫌な予感。
リュウさんが言うと当たる気しかしなくて不安になる。
ホルスターに銃をしまい、装着して二人で調理場に向かう。




