76話 唐揚げサンドとブラックコーヒー
油に入れている鶏肉を早めに出し、衣に亀裂を入れ、再び油に戻す。
これを数回繰り返し、中に火が通るまでやる。
亀裂を入れずに揚げる方法がメジャーではあるけど、孤児院で手伝いをしてる際はこうやって作っていたから自然と真似てしまう。
中に火が通るのを確認でき、次は油の温度を上げ、再び油の海へ唐揚げを入れていく。
同時進行していたパンも焼けているから取り上げる。
後は唐揚げを掬い、油を切り、少し置いておく。
パンに水気を切った野菜を敷き、唐揚げを置き、マヨネーズをかけもう一枚パンを挟む。
食べやすく切り、ギルドセンターでリクエストしていたコーヒーも用意する。
あと一応、小皿に唐揚げ単品として持っていこう。
唐揚げを所望するって言ってたし。
「完成っと……そしたら出来た唐揚げは皿に移して……」
「やべえ!腹減ってきた……!」
「ジンさん揚げ物も出来るんッスね」
会話が弾んでいた三人はいつの間にか厨房まで来ていた。
「ジン、サンドイッチにしたの?」
「これは仕事中のリュウさんのやつなんだ。これなら仕事しながら食べられるし、マーヤ達のも出来たから」
「じゃあ俺達で盛り付けとかしとくから兄貴に届けてくれねえか?」
「そうしてくれると助かるよ、早速届けてくる」
サンドイッチと水筒に入れたコーヒーを持ち、リュウさんの部屋に向かう。
「さて、俺達も第二ラウンドといきますか!」
そういってケイはお酒の瓶を取り出す。
ケイとシルはまだ飲み足りないようだった。
その様子にマーヤは驚きを隠せないでいた。
「あの……私が心配するのもあれなんですが、飲み過ぎでは……」
「俺達わりと強くてさ。もう少しだけ飲んだら止めようと思ってる」
「あ、マーヤちゃんも飲むッスか?無理強いは良くないのは分かってるから断ってくれても大丈夫ッス!」
ケイとシルはこう思っていた。
もっとクリアアトランティスでのジンの話が聞いてみたいと。
あわよくばジンとマーヤの話が聞ければお酒の肴にしつつ、ジンを面白くいじるネタが聞きたいと。
お酒を飲んで口が饒舌になればなお面白そうだと。
そんなことはいざ知らず、ジンはリュウの部屋の前にいた
さて、実際リュウさんの部屋の前まで来たのはいいけど、邪魔にならないか少し気になる。
返事なしか都合が悪かったら厨房に戻ろう。
そう思い、ドアをノックしようと行動に移す。
「ジンか?ジンなら入っていい」
「うぇ!?分かったんですか?」
「おかしなことをいうな。分かったから言ってるんだ」
おかしいのはリュウさんなのでは!!
ノックもせず、一言もしゃべってないはずなのに……!
……考えても仕方ないか。
とりあえず入ってもいいとのことでお邪魔させてもらおう。
お酒の強要は絶対に止めましょう。実際危険です。
お酒の飲み過ぎも止めましょう。こちらも危険です
健康の範囲で楽しく飲めたらいいですね。




