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58話 天然タラシ

「……マーヤ?どうしたの?」


マーヤが受付から動いてないに気がかりで聞いてみる。


「え?どうしたのって?」

「いや、着いてこないと置いてかれるじゃないか?」

「だってこの先は私は関係なさそうだし、案内役は受付嬢さんがやってくれるし……」


確かに受付嬢さんがモニター室の案内はしてくれるけど、関係なさそう、というのは少し違ってくる。


「関係なさそうって言ったけど、俺もクリアアトランティスの脱退の報告があるんだ。何か間違って報告してたらマーヤに訂正して貰おうかなって思ってて。出来れば一緒にいて欲しいんだけど……」

「でも……」

「リュウさん、これからする報告の件でお願いしたいことが……」


リュウさんは「ああ、聞いてる」と返し


「一緒に彼女を同伴させて欲しいってことだろう?別に構わないが……」

「構わないが……なんでしょう?」

「今日泊まる宿屋は食事処もあるんだが、部屋にキッチンもある。少し遅くまで仕事をしようと思ってるんだが、夜食に何か作ってもらえないだろうか」

「それこそ構いませんが、何かリクエストがあれば」

「鳥の唐揚げが食べたい」

「遅くに重い気がしますが……作りましょう」

「よし、OKだ」


リュウさんに同伴の許可が取れた。

ノリがいい人でよかった。


「私が同伴していいんですか?」

「俺達の方は凶鳥討伐の報告だけだし、ジンも君がいてくれた方がいいって話してるじゃないか?」

「そういうこと、それにマーヤがいてくれると俺は嬉しいし、俺の隣にいて欲しいな」


何気なく言った言葉だったが俺の周りの空気が少し変わった感じがした。


「ジン、いちゃつくなら報告を終えてからにしようか」

「な……いちゃ……」

「そうですね、ギルドセンター内では少しご遠慮頂きたく思います」

「受付嬢さんまで……別にいちゃついてなんか……」

「ジン……言われた私の方が照れるよ」

「マーヤさん!?」

「ギルドマスター待たせてるんで早くして貰えません?天然タラシさん」


とうとう受付嬢の口調が変わった!!


「え……その、なんか、ごめんなさい」

「全く、ギルドマスターも忙しい方なので何をするにも全て終えてからにしてください」


少し怒った様子で先に行く受付嬢。

微笑ましい顔をしながらその後ろに着いていくリュウさん


「俺の隣にいて欲しいって言ったのジンだからね」


そういいながら俺の手を取って二人の後を追うマーヤと俺の図式が出来上がった。


鳥の唐揚げが食べたいです

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