57話 ざわつくギルドセンター
「待たせたね」
「いえ、ここが受付です。お話受けてくれるそうです」
マーヤの案内でリュウさんは受付嬢と話す。
「こんにちは。どのようなご用件でしょうか?」
「ああ、そちらのギルドマスターから受けた任務の報告にね。それと、クリアアトランティスを脱退されたジンについて話があるって伝えてくれないかな」
クリアアトランティスの名前に周りが少しざわついた。
なんでざわついてるんだろう?
「あの……失礼ですが、あなたはクリアアトランティスの関係者でしょうか?」
「俺は……いや、『ライジングサンズのリュウ・エースドライと元クリアアトランティスのジンが来てる』って伝えてくれないか?それで通じると思う」
周りのざわつきが更に増していった。
「クリアアトランティスって……あの?」
「いや!クリアアトランティスってよりリュウ・エースドライって言ってなかったか?」
「メカニックの天才って言われてるあの……?」
「傭兵ギルドな冒険者ギルドのメンバーと一緒になにを……?」
少し混乱している様子が伺える。
確かに、普段くることない傭兵ギルド。
それも有名なリュウさんがいるときたら驚くよ。
本当にこんなすごい人のパーティのサポートしているのが未だに信じられない。
「しょ……少々お待ち下さい……!今お繋げしていますので……」
受付嬢が忙しくしている。
「ねえジン?さっきリュウさんと何を話してたの?」
「ん?その、さっきリュウさんがマーヤと見つめ合ってた時の事を聞いてたんだけど……」
「……嫉妬してくれてるの?」
「嫉妬……は置いといて。リュウさんがマーヤと俺について語り合ったとか言ってたから、お互い挨拶以外何も言葉を交わしてなかったじゃない?語り合ったもなにもないというか……」
「あれ?うん、頭の中に言葉が流れた気がしたからノリで答えたら通じたみたい」
頭の中に言葉が流れた……?
ノリで答えたら通じた……?
「魔法の類いとかじゃないよね?」
「そうだと思うよ?それにしてもジンはやっぱりスゴいね。もうライジングサンズのメンバーに頼られてるんだもん」
「頼られてる?」
「食糧問題と料理に看病したとか……」
待って、メッセージパッドでは看病したこと教えてないよ?
困惑する一方だけど深く考えるのは後にしよう。
「これが一流のリーダーと治癒士ということね……」
「なんの話?」
「いや、俺も皆と肩を並べられるようにならないとな、って思っただけだよ」
改めて思うと、俺の周りの人達は凄い。
一流は人を見ただけで判断が出来ると聞いたことがある。
意志疎通が取れる魔法の類いなら凄いけど、魔法の類いじゃないならさらに凄い。
俺もそういった人達と肩を並べられる存在になれたら。
「え?」
「大変お待たせしました。ギルドマスターに連絡させて頂きました。モニター越しになりますが、お二人ともすぐにお話が出来るとのことです。モニター室に案内させて頂きます」
受付嬢が案内すべく、リュウさんの先に立ち、先導してくれる。
「待たないで済むとは幸先がいいな。ジン、行こうか」
「はい」
リュウさんの後ろに着いていく。
「……充分ジンは肩を並べられるのに」




