56話 リュウとマーヤとアイコンタクト
「ジン、感動の再会の所悪いんだが時間の事を考えてくれると助かる」
俺もマーヤもその声にハッと我に帰る。
言葉とは裏腹に少しニマニマとしているリュウさんの姿が。
温いマーヤを離すのは名残惜しいけど、体を優しく離す。
「すみませんリュウさん。感極まって……」
「いいさ、この子が噂の彼女か。初めまして、俺はライジングサンズのリーダーのリュウ・エースドライだ。ジンからよく話は聞いているよ。」
「あ、私はマーヤ・ウォッカフィールドです。ご丁寧に有り難うございます」
マーヤがペコペコ、リュウさんに頭を下げている。
「こちらこそ。そうだ、これから俺達、君の所のギルドマスターに話があってな。よかったらギルドセンターの案内してくれないかな?」
「リュウさん?案内なら俺がー」
と言い掛けた所でリュウさんの眼光が鋭く光っているように見えた。
いや違う、俺になにか伝えるかの如く、鋭くなってる……?
ージン、彼女に案内させれば一緒にいる時間が増えるぞー
と目で語っているように見える。
俺の思い込みだけど。
その後、リュウさんの視線はマーヤに向けられる。
マーヤも反らすことなくリュウさんを見つめ返す。
俺の時より長い間見つめ合っている。
見つめ合っている……というより会話しているように見える。
数秒後、どちらからもなく手が出てそのまま握手を交わし。
「あの!私で宜しければ案内させていただきます!」
「ふふ、宜しく頼むよ」
「……!?」
なにがなんだかよく解らなかったけど、あの短期間で打ち解けられたみたいでよかった……。
「でしたら受付に行きましょう。ジンも行こう?」
「うん……?うん、そうだね」
マーヤの後ろを着いていくように歩いていく。
「ジン」
「どうしました?」
「報告終わったらココアを用意してくれ。あんなこと聞いたら俺も飲みたくなった」
え?何故?
あの間で一体なにが起こったの!?
それにあんなこと聞いたらって……!?
短期間で打ち解けられたみたいとは思ったけど凄く気になる!!
「わ、わかりました。ただ、あんなこと聞いたらってどういうことですか……?」
「なに、ジンについて少し彼女と語り合っただけだ。それより置いてかれるぞ」
受付でマーヤがこっちを待ってる様子だった。
そういえば俺、リュウさんについてあまり知らないかもしれない。
人柄はこの数日でわかったけど、どういった魔法を使っているのか知らない。
もしかして……いや、後で考えよう。
何かモヤモヤが晴れないまま、俺達は受付に向かう。




