52話 包丁持ちに弄ろうとするのはNG
さて、まずはダッシュボアに下準備しないと。
食べ堪えがあったと思ってもらう為と、肉をこれから叩くから薄くなることを考え、少し厚めに切り分けていく。
戦闘もあったし、一応一人厚切りのを5枚ばかり用意しておこう。
ダッシュボアが大きめの個体でよかった。
米かパンがあれば少なくてもよかったけど、ないなら仕方ない。
肉だけじゃお腹もすぐに空きそうだし。
脂身部分は肉が丸まらないように切り込みを入れて。
肉を柔らかくするため、フォークで肉を刺す。
肉叩きがあればなおいいけど、フォークがあるだけ恵まれてる。
「おお!肉ブッ刺してんじゃん!ストレス解消か?」
薪を両手一杯に抱えてケイが戻ってきた。
ライジングサンズのメンバーは本当に仕事が早い。
「違うよ、こう肉を叩くと肉繊維が壊れて柔らかくなるんだ。それはそうと薪を集めるの早いね!?」
「おお!薪は結構な量が落ちててな!シルの方ももう少しで終わるっていってたからよ、ジンが料理作ってる所眺めようと思ってな!」
「俺の料理してる所見ても楽しくないよ?」
「んなことねーよ。ああでも、ジンが絶世の美女だったらさらに嬉しさ倍増だったけどな!」
悪うございましたよ!冴えない男で!
「そんなの俺だって眺めてたいよ」
「おお!?彼女いるのに浮気発言か!?」
「彼女じゃないって!あ、でもその子が料理手伝ってくれてる姿は可愛かったな」
「ほーん……ほーん!!!ノロケかジン!!」
「やめて!!今は包丁持ってるからやめて!」
いつものように肩を組んで弄ってこようとするのを制止する。
お互い危ないから!間違っても包丁で何かしてる人に抱きついたりしないように!!
「よし、じゃあ調理終わったら弄り倒してやろう!」
ケイはいたずらっ子のようにクククと笑い始める。
ぐぬぬ…『今は』やめては間違ってた……
「ほらほら、手が止まってんぞ!ジンシェフ!」
「誰のせいだって……もう」
再び下準備に取りかかる。
塩、胡椒を振りかけ、下準備は完了。
そのまま他の肉もフォークで刺す。
「ジンさーん!釜戸完成したッス!火もOKッス!」
今度はシルが戻ってくる。
釜戸の上には初めて料理をした時に使った鉄板も敷いてあった。




