17話 ケイの実力と血抜き
「…そういえば、こっちのギルドマスターの依頼がどうって言ってたけど、大丈夫?」
「ああ、それはすでに終わっちまったみたいだ、なんせ後ろにある凶鳥の討伐だったんだ」
ケイが後ろ振り向く先にはピクピクとしている凶鳥の姿がある。
そういえばデンキダケで痺れてそのまま墜落したんだった。
「ちぇ、先越されちまったぜ…こりゃ依頼失敗だな」
邪魔する意図はなかったけど邪魔になっちゃったか……
いや邪魔する意図というより俺も必死だったし……
「あのさ、討伐証拠になる凶鳥、持っていってよ」
「あ?いいのか?」
「いいもなにも、助けて貰ったお礼もしてないし、ケイなら余裕で倒せただろ?」
凶鳥を解体して少し持っていくことは出来ても、残りは持っていけないし。
そのまま放置すると腐って魔物が集まったりするし色々と問題が出てくる。
凶鳥討伐が任務なら、他のパーティメンバーも来るだろうし、いっそのこと全部ケイに渡してしまった方が都合がいい。
「うーん…余裕かどうかはわからねぇけど。助けたにしても有り余るくらいこっちが得する内容だな」
ケイは何か考え事をしている。
俺は助けてくれただけで大助かりだったんだが。
「よし、確かこの先の街に戻るっていってたな、俺がお前を届けてやる」
「それこそいいのか?ギルドマスターの所にいくなら手間かかるだろ?」
「いいんだよ、凶鳥なら素材としても食料としてもいい金額で取引できる。それを考えたら安いくらいだ。本当ならお前が行きたいところまでの護衛してやりたかったんだが、この後も任務あるからよ…悪いな」
悪いななんてとんでもない。
俺にとっては有難い話だ。
また強い魔物と遭遇したら今度こそ命がない。
「有り難う、じゃあお言葉に甘えさせてもらうよ。そういえば凶鳥を食材としても取引するっていってなかった?」
「ん?ああ、取引ってもだいたい俺達で食べちまうけどな。凶鳥は旨いってパーティで人気あるし、保存もそこまで出来ないしな」
食べるんだとすると、血抜きしないと不味くなっちゃうな。
でも、凶鳥の首を切るのは骨がおれる。
予想以上に皮が硬いんだ。
でも……その皮、焼くと美味しいんだよね。
「あのさ、もし食用とするなら血抜きしないと不味いんじゃないかな」
「血抜き?」
「首とか切り落として、言葉の通り血を抜くんだ、そうしないと血の臭いが残って味が落ちるんだ」
「マジ?じゃあやらないとな」
「それじゃあさっそー」
俺がまだ話している時にケイが腰に携えていた刀を抜いていた。
いや違う。
すでに切り終えていた。
それを物語るように、凶鳥の首と胴体が離れ、血飛沫が舞う。
速い。
切っている所が全く見えなかった。
ワイルドともしかしたら同じくらい強いかもしれない。
「と、こんな感じでいいのか?」
「…………………………宜しいんじゃ……ないんでしょうか」
さっき余裕で倒せただろ?っていったけど本当に余裕だっただろう。
俺を空中で簡単に受け止めた時点で凄いのはわかってた。
凶鳥と戦っているところみていないけど実力を見せつけられた感じだ。
きっと凄いチート系の主人公ってこういうことをなんなくこなせる人のことを言うんだろうな…




