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15話 お姫様抱っこされるジン

「君は」と話すと


「今は喋るな、舌噛むぞ」


と手短にいう。

そういえばここは空中。

この金髪の青年に今、抱きかえられている。

平たく言えばお姫様抱っこというやつだ。

こんな形でお姫様抱っこ初体験とは…。

それにしても、空中で落下している俺を受け止めた腕力は正直スゴすぎるが、この後の着地は大丈夫なのだろうか。


「そら!着地するぞ!」


着地する少し前、青年の体が突然光始める。


ー強化、身体能力上昇ー


これは、強化魔法。

身体能力を一時的に強化する魔法。

身体能力が上がるのは勿論、使い手によっては身体の変質をしたり、形状を変えたり出来る人もいるらしい。

成る程、道理で空中で受け止められるわけだ。


ズンと、着地する衝撃を受けると同時に後ろの方でも何か大きなものが落ちてくる音がする。

先ほど麻痺した凶鳥だろう。


「大丈夫か?…よっと」


そう言い、俺を地上に降ろしてくれる

何だか久々に地上に足をつける感じがして少しよたついた


「あ、有り難う、お陰で命拾いしたよ…」

「全くだぜ、さしずめ、凶鳥に拐われたって所だろう…何してたんだ?」


パーティをクビになって前にいた街に…っていうのは別にいわなくていいよね。



「元にいた街に戻る最中に凶鳥に拐われてさ…生きた心地がしなかったよ…」

「戻る最中にって…お前この辺の魔物は大分強い。基本パーティで行動する地域だろ?仲間は?何で1人で歩いてたんだよ」


言わなくていいと思ってたのになぁ……

恥ずかしいけど仕方なく話すことにした。


「実は前にいたパーティを昨日クビになって…新しくパーティに入れてもらうにもまだ加入出来ないし、傭兵とか雇うお金もなくて…」

「傭兵を雇う金も無ぇって…脱退の時金貨貰わなかったのかよ?活躍に見合った分は金貨くらいもらうだろ?」

「活躍…活躍か……………ハハッ……」

「わ……悪い、嫌なこと聞いたみたいだな」

「はは……いいよ。俺が何でクリアアトランティスに選ばれたのかわからないくらいだったし」

「クリア…アトランティス?お前、そこのパーティだったのか」


「知ってるのか?」と聞くと「ああ」と返事が返ってくる


「俺んところ、傭兵団ギルドのパーティーライジングサンズーのリーダー…俺の兄貴なんだけど、兄貴とそっちの冒険者ギルドのマスターと仲が良くてな。依頼を受けにそっちのギルドセンターに行ってたんだ。そしたらクリアアトランティスのメンバー脱退させるって言ってたから回りのやつら大慌てしてて大変そうだったぜ?お前がそのメンバーだったとはな」

「大慌て?大変そう?」

「そりゃそうだろ?クリアアトランティスって有望株を集めたって話だけど、編成したのギルドマスターだろ?メンバーが勝手に脱退させましたって、『お前の選んだやつ使えないから俺達の判断で脱退させたぞ』って言っているようなものだぞ?」

「ぐはぁ!!」


使えないという言葉は俺の心をグサリと刺してくる。

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