表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

第五話 メルヘン?

 ここは、人間、妖精、エルフ、ドワーフ、悪魔、天使、その他動物などが仲良くのどかに暮らす「おとぎの国」。なんとこの前、ニワトリの卵からカメの子どもが生まれたそうだ。それを聞いた周りの仲間は、誰一人として不思議に思う者はいない、仲間はみんな祝福した。

 この「おとぎの国」では、このような摩訶不思議な出来事が日常茶飯事のように起こる。そう・・・・・ここはメルヘンの世界なのだ。



 キノコの家の中で一人、妖精のコスモスは考え込んでいた。彼女はとにかく明るく元気でうるさい奴で、超前向きで考え込んだりする事は滅多にない。そんなコスモスが考え悩んでいるという事は、何かとても重要な事があるのではないだろうか・・・?(この世界では一般的に全て妖精は女性の形をしている。また人型で全長は20cm程。そして蝶のような羽が生えていて飛べる。しかし例外として、妖精の女王など特定の妖精は人間のサイズと変わらない)

 すると、コスモスの家の扉をノックする音が聞こえた。

「はぁ〜い、どうぞ入ってぇ」

 扉を開けて現れたのはエルフのドワード博士だ。ドワード博士はこの国一番の学者である。そんな彼が、ここへ来たのはやはりコスモスの悩みについてだった。

「な〜んだ、ドワード博士かぁ。あたしに何か用ですかー?」

「いや、最近何かお前が悩んでいると聞いて・・・何か重大な事でもあったのかと思って来てみたのだが・・・」

「えっ!マジで!じゃドワード博士〜あたしの悩みを聞いてください!」

「うむ、では言ってみなさい」

「あたし、自信がなくなってるの!自分の魅力に!あたしの夢は〜この全世界の男を虜にする事なの、ドワード博士も知ってるでしょ!でも、最近あたしは、とてつもなく大きい目標を持ったなぁ〜と思って、その目標のデカイ壁に当たって、自分の限界と現実の難しさを考え込んでいた今日この頃なの。あーでも、この夢は決して諦めたわけじゃないわ!自分の限界を超えて、目標に向かって頑張っていかなきゃダメなんだなぁって。あっ、そうだ!ドワード博士お願いがあるわ。ぜひこの国一番の学者の頭で、一口飲めばどんな男も虜に出来る惚れ薬をつくってよ!ねぇーいいでしょ天才博士ぃ!」(←わりと早口で)

「くっ・・・コスモスは私の研究を、そんなくだらない事に使おうとでも言ってるのか?」

「くだらないなんてヒドーイ!人事のように言わないでよ!あたしは真剣なのよ!」

「そんなバカな妖精がいるかっ!」

「いるわよここに!」

「もういい、ここに来た私が間違っていた。お前が悩んでいるから来て見れば、こんな事か!」

 ドワード博士は、扉を思いっきり閉め帰ってしまった。コスモスもそんな博士の態度にカンカンである。

「このバカ博士!」

 コスモスは、この怒りをどこにぶつけていいか分からなかった。とりあえず彼女は町へ出かける事に。町にあるお花畑に行き、ミツでも飲んで怒りでも静めようとしたのだった。



 賑わう町の中、甘い香りが漂う。小さな囲いにはウシが美味しいミルクを、すぐ近くにある草むらではハチが花のミツを、またレンガの家では子どもがクッキーを売っている。

 そんな町中を二人の人間、リファーとドンベエが歩いている。

 リファー(本名は鳴海聖二。何故かリファーと呼ばれている)は、おとぎの国で一番のいいルックスを持つと言われている。また、あのコスモスもリファーのルックスはこの世界でトップと認めている。しかし、外見は完璧な彼だが勉強や頭を使う事は大の苦手(二桁の足し算に15分苦戦するほど)。単純に馬鹿。ちなみに年齢は16歳。

 ドンベエ(本名)。変わった名前だが見た目は可愛い女の子だ。彼女は特にその名前を気にしてはいない。いつも宝物である白クマのぬいぐるみを抱えている。なんと本人曰く、ぬいぐるみと会話する事が出来るらしい。大好物はお団子だ(毎日欠かさず食べている)。ちなみに年齢は17歳、みんなからはドンちゃんと呼ばれている。

 二人は町の中を歩いていく。



※このメルヘンの世界は、偉大なる三者によって存在が成り立っている。

 まず一人目は、魔王と呼ばれ魔界を統べる者。魔王はメルヘンの世界に永遠の夢と希望を生み出している。この世界は光の力に満ちているが、それに対立する闇の力が同等に存在する事により、皆に夢と希望を与え活気ある世界の形を創っている。

 二人目は、天使を司る女神だ。女神は天界と呼ばれる所に住む神族の世界の女王である。女神は命の源。無限に命を送りだし、生を終えた命を迎える存在である。女神は全ての命を尊重し、皆に幸福を与える。そして、メルヘンの世界に永遠の平和を約束する。

 三人目は、精霊王だ。精霊王は「妖精」「エルフ」「ドワーフ」それぞれの種族を統べている。(精霊王はその三つの種族のそれぞれの代表者三人の中から選ばれる。現在は妖精の大女王が精霊王として皆をまとめている)精霊王はメルヘンの世界に潤いを与える。土を肥やし豊かな緑を。また澄んだ小川やキレイな空気を。精霊王は、大地の自然を美しく保つことに献身する。

 三つの勢力、世界、役割が集合して存在したのがこのメルヘンの世界、おとぎの国である。ここは、生あるものの全てが平和に暮らす事が出来る桃源郷と言えよう。



 どうやら、ドンベエは町へ買い物に来ていたみたいだ。お団子がたくさん入った袋をぶら下げている。リファーは、歩きながらナンパのターゲットをさがしている。

 すると、一人の女の子が二人を呼び止めた。二人が振り向いた先にいたのは、サナエという名前の女の子だった。サナエ(特に使う機会はないのだが剣を背負っている)は見た目普通の女の子だが人間ではない。父親は魔王で母親は女神という有り得ない間の愛から生まれてきた女の子だ。(当然ここで言う魔王と女神は、偉大なる三者である)。悪魔と天使の狭間の人と解釈してくれればいい。そんな事はリファーやドンベエも知っている。もちろん町のみんなも。因みに彼女は、何故かこの世界の英雄なのである。そんなサナエは町の人気者でリファーたちの友達だ。

「リファー君、ドンちゃん、こんにちは。今日も良い天気だね」

 彼女は二人に話しかけた。

「よう、サナエちゃん」

「サナるん(ドンちゃん命名のあだ名)おっはよー」

「今日は二人でお買い物?」

「オレは暇だからナンパでもしようかなーと」

「ドンちゃんはお買い物したんだよ。お団子たくさん買ったもん」

「私はお散歩してたの。ねぇねぇ私も一緒に行ってもいい?」

「ドンちゃんは全然構わないよ。別にいいよねリファっち(ドンちゃん命名のあだ名)」

「ああ」

「ありがとう!」

「これからドンちゃんたちは、近くの広場で買ったお団子を食べに行くんだよ。サナるんにも分けてあげる」

「じゃあ三人で広場に行こう!」

「え、オレはナンパしたい・・・」

 リファーは嫌々だが三人で広場に行く事に。



 広場に来た三人、空いているベンチに座りドンベエはお団子の入っている袋を開けた。広場の近くにある大きなお花畑からいい香りがする。妖精や蝶もそのお花畑に集まっていた。(このいい香りの中でお団子を食べることがドンベエの一番の楽しみらしい)

「オレはナンパをしたかったのになぁ・・・」

 リファーはナンパ出来なかった事を悔やんでいる。そんな彼など気にせずお団子を食べる二人。

「ドンちゃん、このお団子美味しい!」

「でしょ〜!これはドンちゃんのお勧めのお店のお団子なの」

 様々な種類のお団子がある。

「それに今日の天気は春で晴れだからね、絶好のお団子日和だよ。リファっちはお団子食べないの?」

「ドンちゃん・・・こういう日はナンパ日和って言うんだよ」

(メルヘンの世界は、春夏秋冬の四季が一日ごとに変わる。しかし春夏秋冬の順ではない。しばらく春が続くこともあれば、夏と冬が交互にきたりなど、法則などなくランダムに毎日季節は変わり訪れる。しかも、それぞれの季節に見られる特徴もはっきりと変化する。春には桜が咲き乱れ、夏には蝉が鳴く、秋には辺りの山は紅葉で染まり、冬には雪が舞う。因みに今日は春。お花畑にたくさんの花が咲いている)

「あら、あんたたち。美味しそうなもの食べてるじゃない、あたしにも分けなさいよ!」

 その声にリファーたち三人が振り向くと、そこには精霊王のフェアリアが立っていた。

「リアリア(ドンちゃん命名のあだ名)も一緒にお団子食べる?」

「もちろん頂くわ!精霊王とはいえ、妖精である事に変わりはないのよ。あたしだって、甘いものには目がないんだから!妖精の性ね」

 ナンパしたくて仕方なかったリファーの目つきが変わった。

「フェアリア様、もしよろしければこの後オレとハチミツが美味しいお店にでも行きませんか?」

「リファー君もしかして、あたしをナンパしてるの!」

「はい、そうですよ」

「・・・じゃあ後で連れてってもらおうかしら!精霊王ってだるいのよね、リファー君にあたしの疲れを癒してもらうわ」

 偉大なる三者の一人、精霊王のフェアリアはよく町の中をぶらぶら歩いている。偉大なる三者とは思えがたい生活ぶりである。淫らな性格であのコスモスと似てうるさく元気。けれども町のみんなは、何故かフェアリアを信頼している。偉大なる三者が堂々と町の中をお散歩し、町のみんなと普通に溶け合って暮らしている・・・滑稽な事かもしれない。

 何だかんだで、ドンベエとフェアリアの二人でたくさんあったお団子は、あっという間になくなってしまった。お団子を食べ終わると、フェアリアはリファーの手を引きどこかへ行ってしまう。その場に残されたドンベエとサナエは、しばらく呆然としていた。気がつくと、近くのお花畑で何やら馬鹿デカイ話し声が聞こえてきた。二人はお花畑を見ると妖精たちが話し合っていた。どうやら、コスモスが今朝のドワード博士に対する愚痴を言っているらしい。

 ドンベエはコスモスたちに手を振ってみた。すると、彼女はそれに気付きものすごい速さで飛んできた。

「ねぇー!ちょっと聞いてよ!朝ねドワードのオヤジったら、あたしに酷いのよ!!実はね・・・・」

 ドンベエもサナエも、コスモスの愚痴を聞き流しながら「うん、うん」と相槌を打つ。こういう時は、コスモスの気が済むまで喋らしておけばいいとみんな知っている。それで次第にコスモスのストレスは解消されていくからだ。

 三時間くらい愚痴を言ったところでコスモスも疲れてきたみたいだ。もちろん、それを聞いていたドンベエとサナエはもっと疲れている。周りを見渡すと辺りは暗く夕方になっていた。

「はぁ〜ドンちゃんとサナエちゃんに、話を聞いてもらってすっきりしたわぁ〜」

「・・・それなら良かったわ。ね、ドンちゃん」

「そうだねサナるん」



 帰り道、サナエがドンベエに聞いた。

「明日の天気はどうなるのかな?」

「ドンちゃんはまた春で晴れがいいなぁ。お団子美味しく食べれるもん」

「私は冬がいいなぁ・・・最近ぜんぜん冬が来てないから。ねぇもし明日が冬だったら、みんなで雪合戦やらない?」

「雪でお団子を作りたいなぁ」

「ドンちゃんはお団子の事ばっかりだね。でも明日が楽しみだよ」

 二人は楽しく話しながら自分の家へと帰っていった。



 次の日、おとぎの国は一面真っ白な雪で覆われていた。久々の冬が訪れたのだ。これには町のみんなは大喜び。子どもや小悪魔、エルフ・・・朝から外に出て雪遊びをしていた。

 もちろん、ドンベエやサナエも外に出ていた。コスモスは、彼女たちに無理やり誘われ仕方なく外に出ていた。

「何でこんなクソ寒い中、外で遊ばなきゃいけないのよ!?あたしはか弱い妖精なのよ!!」

「コスモ姉さん(ドンちゃん命名のあだ名)、後で一緒に雪団子をつくろうよ」

「嫌よ、そんな事したら(あたしのか弱い)手が痛むじゃない!ただでさえ寒くて死にそーなのに・・・」

 コスモスはブルブルと寒そうに震えている。

「ならオレが暖めてあげようか?」

 その声に振り向くとリファーが立っていた。

「じゃあ温めさせてもらうわ〜リファ〜」と彼を見るなりコスモスは飛びついた。すると、彼はドンベエたちを見る。

「おはようドンちゃん、サナエちゃん」

「リファっちも、遊びに来たんだぁ。実は今から誘いに行くつもりだったのだ」

「フ・・・久しぶりの雪だからな。女の子でも誘ってきれいな銀世界を眺めようと・・・」

「リファー君らしいね・・・そういえばフェアリア様は外に遊びに来てないの?」

「寒いから外に出たくないって。まぁいいや、ドンちゃんたちが誘いに来てくれたからオレもついてくよ」

 リファーもとりあえず、ドンベエたちと一緒に町中を歩く事になった。

「ねぇねぇ、みんなで雪合戦しようよ」とサナエ。

「雪でお団子作りした〜い」とドンベエ。(お団子ばかりでしつこい)

「嫌よ、あたしは家に帰って暖かいハチミツスープを飲みたいわ。ねぇリファー」とコスモス。

「そんな事言われてもねぇ。みんなのしたい事がそれぞれ違うんだ。・・・まぁ、オレはナンパを・・・」とリファー。(お前もしつこい)

 歩きながら何をして遊ぶかをドンベエたち話し合った。しかし、みんなの意見がそれぞれ違うのでなかなか話がまとまらない。そこでリファーが口を開いた。

「そうだ、オレ行きたいところあるんだけど・・・」

「行きたいところ・・・?リファっちが行きたいとこって、やっぱり女の人がいっぱいいるところ?」

「違うよ、雪景色がキレイに見えるところ(女性を口説くのに絶好の場所)」

「へぇ・・・リファー君が女の人以外に美しさを感じるものがあるなんて・・・」

「サナエちゃん、それはあんまりだよ。オレだって女性以外に美しいと感じるものはあるさ。とにかく、やる事が決まらなければその場所に行こうぜ」

「そうだね、このままじゃ話にならないから。リファー君の言うところに行ってから考えるのもいいかもね」

 リファーの案内で『雪景色がキレイに見えるところ』に行く事にした。

 森に入りどんどん奥へ進んでいく。今日は大雪だ。今、雪は降っていないがかなりの厚さで雪が積もっている。ドンベエは森の中の木に一発キックしてみた。すると、その振動でその木の枝や葉に積もっている雪が一気に落ちてきて、ドンベエは頭からモロ雪をかぶり体全体が埋もれてしまった。リファーたちは、驚いて急いでドンベエに覆いかぶさっている雪を払おうと近づいた瞬間・・・山済みになった雪の中から、勢いよく彼女は顔を出して大笑いする。リファーたちは呆気にとられた。

 四人は森の中を更に進んでいく。森を歩いていると様々な動物たちと出会う。本来なら冬眠しているはずのクマも、久々の冬の訪れに喜び雪で遊んでいる。このクソ寒い中、冬眠しないでのん気に外で遊ぶとはバカなクマだ。冬眠してろ。そう感じたコスモスであった。

「そろそろ森を出るぜ。森を出たらそこが『雪景色がきれいに見えるところ』だよ」とリファー。

 四人が森を出ると、そこには銀世界が無限に広がっていた。雲の隙間からわずかな日の光が大地を照らし、キラキラと雪が輝いている。

「きれ〜い・・・」

 しばし景色に見とれる四人。

「ここは『自由の大地』と呼ばれているんだ。辺り一面は草原で春になると大地を色鮮やかな花で覆うんだ」

(この場所は『6才の恋』という物語にも存在している。『6才の恋』とはこの世界で有名な、ラシックという男の小説家の作品の一つだ。ラシックが初めてこの場所へ来たとき景色のキレイさに感動し、自分の作品にこの大地を取り入れたらしい。しかし、彼の作品の中で『6才の恋』は有名な作品ではない。評判が良くない事から、この物語を知る者は少なく『自由の大地』を知る者も少ないという。まさに知る人ぞ知る秘密の花園である)

 さっきまで寒いとか、文句を言っていたコスモスまでもキレイな景色に見入っている。サナエは足元の雪を両手ですくってみた。

「この雪、フワフワしてやわらかい・・・」

 サナエは、すくった雪を上に向かって軽く投げた。雪は空中に舞い、キラキラと光りながらゆっくりと落ちていく。皆が見とれている中、コスモスが何かに気付いた。

「ねぇみんな、向こうに何かあるわ!」

 彼女はそう言い指をさす。リファーたちは指さしした方向を見た。確かにそこには、ピンク色をした何かが雪の中に一つポツンとある。気になった四人は、何か確かめるために近づいてみた。近づくとそれはレンゲの花である事が分かった。

「こんな雪の中にレンゲが・・・?」

 よく見ると、レンゲの花はブルブルと震えている。心配したドンベエはレンゲの花に話しかけた。

「レンゲさん、今日は冬だよ寒くないの?大丈夫?」

 レンゲは答えた。

「僕なら大丈夫です。気にしないで下さい」

「気にしないでって言われても、冬のこの寒さじゃ枯れちまうぜ。季節を間違えたのか?」

「いいえ間違いじゃありません。僕は冬の季節に咲きたかった」

「この寒さじゃ本当に枯れちゃうよ!今から私の家に行こう、暖かいよ!次の春が来るまでいていいから!」

 サナエはそう言いながらレンゲに近づいた。

「僕は大丈夫です!僕の事はほっといてください!」

「・・・・・・・!」

 レンゲは大きな声で叫んだのでサナエたちは驚いた。

「・・・・・・・・」

 一息つきリファーが口を開いた。

「レンゲ君の事を何も知らずに助けようとして悪かった。でも、このまま君をほっとく事は出来ない。もし良かったら、何で冬の季節に咲きたいのかを教えてほしい」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

(↑これは、かなり長めの沈黙を表している)

 するとレンゲはゆっくり話した。

「・・・僕は、恋をしているんだ」

 リファーは更に聞く。

「それは誰にだい?」

「・・・雪の結晶、名前は『リリ』」

 レンゲが向いている方には無数の雪の結晶たちの姿が。その中に、一つだけ強い輝きをもつ雪の結晶の姿がある事に気付いた。リファーたちは口には出さなかったが、彼女が『リリ』であると察した。

「なるほど、冬が終わるまでのひと時の間・・・・か」

 リファーには、レンゲの気持ちがよく分かっていた。

「そういえば自己紹介がまだだったな。オレの名前は鳴海聖二。リファーと呼ばれている」

「ドンベエだよ〜よろしく」

「あたしはみんなのアイドル、花の妖精コスモスちゃんよ」

「私の名前はサナエ、よろしくね」

 サナエは鞘から剣を抜いてポーズを決める。(これが彼女の剣の使い道である)

「僕に名前はないんでレンゲと呼んで下さい」

「じゃあ、レンちゃんって呼んじゃおっと!」(勝手にあだ名付けちゃうドンちゃんの精神)

 とりあえずみんな、自己紹介をして落ち着いた。

「それで、レンゲはリリに想いを伝えたのか?」

 リファーは単刀直入に聞いた。

「・・・まだ伝えていません。僕も気持ちを伝えたいと思っています。けれど・・・なかなか勇気が出なくて」

「それなら、私たちが代わりにリリちゃんに言ってきてあげようか?」

「サナエさん、それだけは絶対にしないで下さい!・・・それだったら、いっそう想いを伝えない方がいいです。自分の事ですから自分でしっかり伝えないと」

「そうだね・・・変な事言ってごめんね」

 リファーはレンゲをじっと見た。あまりにも真剣な顔だったので、不安に感じたレンゲは思わず話しかけた。

「どうかしたのですか?」

「いや、いつ告白するにかなって思ったんだよ。この恋愛には時間制限がある。午前0時までだぜ?」

「なるほどね、明日また冬が続いて来てくれたらいいけど、もし冬が来なかったら・・・リリは・・・・」

 コスモスはそこまで言うと話すのを止めた。それ以上言えばレンゲに大きなプレッシャーになる、それにみんなもどうなるか分かっているからだ。するとサナエは付け加える。

「それだけじゃないわ。明日、冬が来たとしてもレンゲ君の体力が持つかどうか・・・」

「そうですね、僕は春に咲くはずの花です。この寒さはかなり堪えます。おそらくですが僕の体力は今日いっぱいが限界でしょう」

「じゃあドンちゃんちに来なよ。お家の中は暖かいから大丈夫だよ」

「いえ、僕の事は気にしないで下さい。春に咲くはずの花が、自分のワガママで勝手に咲いているんです。自然の成り行きを無視した違反をしています。しかし、この違反はおとぎの国だからこそ出来る事であり、自然の成り行きに逆らえばそれなりのリスクを伴う事を承知でやっているのですから」

(メルヘンの世界では、様々な理や成り行きを無視してありえない事を実現させる事が出来る。それは、それぞれ違った領域を統べていた偉大なる三者がこの世界を創り上げているからだ。それぞれ違った領域にいた偉大なる三者が、一つになって何かをまとめるというのは普通ではありえない事である。それがこの、おとぎの国の基本となったものだ。しかし今回のレンゲの場合のように、成り行きを無視すればリスクを伴う事もある。大規模な例としてはサナエの両親である。父は魔王、母は女神、対立する領域の長が、愛で結ばれ幸せな家庭を歩んでいる、これもありえない事である。この場合にもリスクが生じる可能性がある。そのリスクとは、もし夫婦ゲンカをしてしまえば一つにまとまっていた偉大なる三者はなくなり、この世界そのものが消えてしまうかもしれないという事だ(大げさだが、成り行きを無視したリスクはこの世界の住人にとって重要な問題である)。まず、ありえない形での偉大なる三者にも、何らかのリスクが伴っている可能性があるともいえる。メルヘンの世界を創りだしている者自身が成り行きを無視した存在なので、このリスクについては偉大なる三者でもどうしようもないのである。しかし、リスクによって対応する事が可能である。当然レンゲの場合でも何らかの対応をすれば何も問題はない)

「リリはこの冬だけの短い命です。季節が変わった時点でリリはいなくなってしまう。だから同じ場所、同じ時間の中で生きている間に想いを伝える・・・それだけでいいんです。それ以上の事は望んでいません」

「・・・そうか、ならオレたちに出来る事はないな。そこまで強い気持ちがあるなら自分でどうにかするしかない」

「はい。だから僕の事は大丈夫です」

「ああ・・・分かった」

 そう言い、リファーはレンゲに背を向けた。サナエやドンベエ、コスモスは「これでいいのだろうか」という少し心残りがある感じだった。

「あ、そうだ・・・」

 背を向けたリファーだが、話しながら再びレンゲの方を見た。

「どうしたのですか、リファーさん?」

「少し野暮かもしれないけど、ここでレンゲを見守ってていいかな?それ以上の事は何もしないからさ」

「みなさんは『自由の大地』に遊びに来たんでしょ。ここで遊ぶのもこの銀世界にポツンと咲くレンゲや雪を見るのも自由です」

「分かったレンゲ・・・・頑張れよ」

「ありがとう、リファーさん」



 リファーたち四人は、少し離れたところでレンゲを見守る事にした。リファーとレンゲが話を進め、話の中に入れなかったドンベエたち。サナエはリファーに話しかけた。

「リファー君、本当に良かったのかな・・・?」

「レンゲの事?」

「そうだよ・・・本当にこのままじゃレンゲ君は枯れちゃうよ。今、暖かいとこに行けば、まだ間に合うのに」

「・・・レンゲは命を張ってリリに会いに来たんだ。それに、リリと同じ時を生きてるって事があいつにとってすごく大事なんだ。死なんて怖いとは思っていないよ」

「レンちゃんはそこまで・・・・・なら、しっかり想いを伝えられたらいいね」

「あのさぁ、今だから言えるんだけど・・・」

 突然コスモスが喋りかけた。何か言いづらそうな様子である。

「どうしたの、コスモ姉さん?」

「実はあたし、明日の天気知ってるんだ」

「!」

「明日の天気は、ほぼ秋になると見て間違いないと思う」

「何でコスモスに明日の天気が分かるんだ?」

 リファーはコスモスに歩み寄る。

「あたしじゃなくてドワードのオヤジよ。あいつは季節や天気についても研究をしてたから、予測する事が出来るの。しかも的中する確立は90%」

「ドワード博士によると明日は秋・・・・どちらにしても、このままじゃレンゲもリリも今日まで。そういう事になるのね」

「もう季節とかはどうでもいいんだ。しっかりリリに想いを伝えられたら・・・・レンゲだってそう考えているさ」

 リファーたちはその後もずっとレンゲを見守る事にした。

 レンゲは、何度もリリに話しかけようとしたが言葉がでなかった。時間はどんどんと進んでいく。彼は寒さに必死に耐えていた。

 レンゲがリリと出会ったのは季節の変わり目、春から冬に移る時。今日の午前0時、おとぎの国に久々の冬が訪れた。冬の訪れとともに、『自由の大地』に咲き誇っていた花たちは次の春に向けて、土の中に戻り静かに時を過ごす。しかし、一輪のレンゲの花はその場に残った。空から舞い散る輝く雪を見上げていた。舞い散る雪の中に一段と輝く雪の結晶、既にその雪の結晶に恋をしていた。レンゲは近くを通りかかった雪の結晶に彼女の名前を聞いた。彼女の名前は『リリ』・・・。彼は決心した。リリに想いを告げよう。それがレンゲの恋の始まりだった。



 気がつくとあたりは暗く夜になっていた。レンゲはまだリリに想いを告げていない。リファーたち四人も辛抱強くリリを見守る。レンゲの体は寒さでガクガクと震えている。サナエはレンゲを助けてあげたくて仕方なかった。しかし、彼の強い想いがサナエをそうさせなかった。

 ドンベエが、自分のお団子型腕時計に目を通す様子を見てコスモスは聞いた。

「ドンちゃん、今何時くらい?」

「6時(18時)くらいだよ、コスモ姉さん」

「レンゲ君・・・頑張れ・・・!」

 サナエは両手を強く握って祈る。



 あれから何時間くらい経っただろう。ドンベエ、サナエ、コスモスは、寒さに震えている。リファーは、何一つ話さず微動たりともせずにレンゲを見ている。

 レンゲは、まだ想いを伝えられずに寒さに耐えている。すると、今まで静かに見守っていたリファーは、ゆっくりとレンゲの方へ足を一歩動かした。しかし、いきなりサナエがリファーの腕を掴み彼は振り返った。

「・・・・・・・・」

 サナエは何も言わず顔を横に振った。リファーは一息つき足を止めた。

「そうだな、レンゲは大丈夫だよ・・・悪かったよ」

 時間は容赦なく進み、ドンベエのお団子型腕時計は23時50分を示していた。

「みんな、季節の移り変わりまで10分をきったよ!」

「・・・・・・・・・!」

 けれども、レンゲは何も動かない。寒くて動けないのだろうか?リファーたち四人に不安がよぎる。

 季節の移り変わりまで後、5分・・・・・


 地面に積もっている雪たちは少しずつ溶け始めた。雪の結晶たちは、次の季節が冬でない事を察し始めている。もちろんリリもだ。レンゲはあと一歩の勇気が出せずにいた。

 そして、冬の終わりまで1分をきった。


 空中を舞っていた雪たちは溶けて漆黒の夜の闇が星の光をのみ込みそれにより輝いていた雪の結晶の煌きは刹那のうちに失われていく・・・


 リファー、サナエ、ドンベエ、コスモス・・・・四人が諦めの気持ちに変わる瞬間、レンゲは叫んだ。

「僕はリリが好きだ!だからまだ溶けないでくれ!・・・僕はその事を伝えるために今、ここに咲いている!一目見た時からリリの事が好きだったんだ!」

 まだ溶けずに残っている雪の結晶たちは、一斉にレンゲに注目した。リファーたちはそっと見守った。

「ずっとこの想いを言えずにいて諦めようと思っていた事もあった。・・・だけど、やっぱりリリの事は諦める事が出来なかった」

 レンゲは寒さと緊張でいっぱいだ。しかし体は震えてはいない。(それは体力の限界をあらわしている)

「もう抑えきない!だから、この想いをリリに伝えます・・・!」

 すると、ある雪の結晶がレンゲの近くにフワフワと飛んできた。それは、一段と輝きが強かったあの雪の結晶だった。リファーたちは「やっぱり彼女がリリだ・・・」そう感じていた。しかし、今のリリに輝きはほとんどなかった。

「は、はじめまして、リリ・・・・僕は、レンゲと申します」

「はじめましてレンゲさん」

 緊張しているせいか、なかなか会話が続かない。レンゲは必死に何を話すかを考えている。というより、何を言っていいか分からない状態なのであろう。多くの雪の結晶の前で想いを告げたのは、リリにとって迷惑だろうと感じていた。するとリリは言った。

「ありがとうレンゲさん」

「えっ・・・?」

 リリの突然の言葉にレンゲは驚いた。

「すごく嬉しい・・・私の事を、そんなに風に想っていてくれてたなんて」

「・・・・・」

「私も、レンゲさんの事が気になっていたのです。一面真っ白の中に一つキレイなレンゲ・・・しかもこの寒さの中で、堂々と咲き誇っていた姿。一目惚れをしていたんです」

「リリが僕の事を・・・!」

「ええ・・・けれど、雪の結晶がお花に恋をするなんて可笑しい、そう思われると・・・ずっと心の中で感じていました。だから、私も話しかけられないでいたのです」

「僕と同じだね・・・花と雪の結晶ではつりあわないと思ってた。だけど、リリがそんな風に僕の事を想ってくれていたなんて・・・僕もすごく嬉しいよ」

「・・・私も、レンゲさんの事が好きです」

 レンゲは嬉しくて仕方なかった。今まで緊張して何も動けなかった自分が馬鹿だったと感じるほどに。レンゲとリリの想いは今、伝わった。


「でもレンゲさん・・・私たち、遅すぎましたね・・・・・」


 気が付くと、リリの体はものすごく小さくなっていた。もう冬は去ってしまっていた。

「リリっ!」

「私たち雪の結晶は、冬の季節でしか存在できません。これは仕方ありません。けれど、溶けてしまう前に私もレンゲさんに想いを伝えられてよかった・・・・・」

「リリ待って!消えないで!・・・どうしてだ、せっかく互いの気持ちが伝わったのに!種族が違うもの同士が、交える事は出来ないのか!?いや、出来るはずだ!ここはメルヘンの世界なんだから!」

「レンゲさん、私たちはもう季節と種族を乗り越えて交じり合っていますよ・・・」

「リリ・・・!そうだね・・・でも、これじゃ悲しいよ」

「もし生まれ変わりがあるなら、また・・・あなたと会いたい・・・そう願いましょう、レンゲさん・・・・・・・そしたらきっと――――」


 レンゲは、優しくリリを抱きしめた。



 ・・・・ありがとう・・・・



 気がつくと、抱きしめたはずのリリの姿は消えてなくなっていた。

「僕の方こそありがとう。さよなら、リリ・・・」

 リファーたちには、レンゲとリリが何を話していたかは聞こえなかった。もちろん、レンゲとリリがどういう状況だったのかも分からない。けれど、すごく嬉しそうに話していたという事は分かった。

 これでよかったんだ・・・リファーたち四人はそう思った。おそらく、レンゲもそう感じているだろう。

 ドワード博士が予測したように、この日の季節は秋であった。大地を覆っていた真っ白な雪は完全に消えてなくなった。雪の結晶の短い命は終わったのだ。


 そして、レンゲも・・・・・・



 レンゲの想いはリリに伝わったんだね。

 ドンベエのお団子型腕時計は、午前2時を示していた。四人は『自由の大地』からの帰り道を歩いている。

「何だかすごい夜更かしになっちゃったね。お父さんとお母さん、すごく心配してるかも・・・帰ったらまず怒られるわ」(当たり前だ)

「サナるんのパパは魔王だけあって怒ると怖いからね」

「あ、いけねえ!」

「リファっち、どうしたの?」

「・・・・実はオレ、(昨日の)夜もフェアリア様と会う約束があったんだ・・・すっかり忘れてた」

「リファーったら!ミスおとぎの国(自称)であるコスモスちゃんを差し置いて、フェアリア様と会う約束をしてたなんて!ひっど〜い!」

「何でオレがコスモスのものみたいになってるんだよ・・・」

 リファーはため息をついた。

「・・・・あたし、もう一度ドワードのオヤジに頼んでみようかな」

 いきなりコスモスが話の話題を変えた。一昨日、コスモスの愚痴を聞いたドンベエとサナエは「惚れ薬」の事だとすぐに分かった。

「でも、何でそこまでして惚れ薬がほしいの?コスモスちゃんは充分に可愛いと思うけど」

「サナエちゃん、それはお世辞のつもり?」

「お世辞じゃないわ、ホントに可愛いと思うよ」

「本当かしら・・・?だってあのリファーごとき、あたしの虜に出来ないのよ」

「ごときって言うな」

「それに、あたしの目標は全世界の男を私の虜にする事よ。それを成し遂げるためには、あたしだけの力では足りないの、どうしても他の何かに頼らなきゃいけないのよ・・・そしていつかは『クラブ♪フェアリー』を経営してみせるわ!」

 少し自慢げにコスモスは言う。そんな彼女をサナエは呆然と見ている。

「何、サナエちゃん?無謀すぎるって思ってるの?」

「別に無謀だなんて思ってないわ(ウソ〜♪)」

「ならいいわ、キャハハハッ・・・!」

 コスモスは、甲高いバカ笑いを辺りに響かせた。夜の森の動物たちには、さぞ迷惑な事だろう。

「ていうか、レンゲたちを見てさぁあたしも出来るうちに何かをしなきゃと思ってね」

「・・・そうだね、レンゲ君は頑張ってたしね。私も何かに向かっていけるものを見つけなきゃ!」とサナエ。

「ドンちゃんはお団子屋さんになりたいなぁ」

「オレはこのままでいいよ。楽しいし気も楽だから」

「みんなそれぞれって事ね!さ〜てと、そうと決まったらあたしは早速ドワードのオヤジを説得させに行くわ!」

「まだ夜だよ、寝てると思うぜ」

「そんなの関係ないわ、叩き起こしてやる!て事でみんな、じゃ〜ね!あたしは一足先に帰ってるわ」

 そういうと、コスモスはものすごい速さで飛んでいった。



 リファーたち三人が町へ着いたのは午前5時頃でほとんど朝に近い状態だった。というのも、疲れてゆっくり歩いてきたので、ここまで戻るのにかなり時間がかかったのだ。

「やっと町に着いたな・・・」

「ドンちゃん疲れたぁおなか空いたぁお団子食べたい・・・そうだ、みんなで朝食にお団子食べに行かない?」

「私は遠慮しとくよ。一秒でも早く家に帰らないと」

「確かにな。サナエちゃんが朝帰りだなんて・・・魔王のお父さん、絶対に悲しむぜ」

「そうねぇ・・・まず真っ先にリファー君のところに行って怒鳴りつけるかも」

「勘弁してくれよ。オレは何にもしてないのに」

 三人は喋りながら家路を辿っていく。この後、リファーには激怒のフェアリアが待っている。おそらくサナエは両親のお叱り受ける事に。そしてドンベエは、お家で一日ぶりのお団子を堪能するだろう。

 今日も「おとぎの国」のメルヘンな一日が始まる。町には朝早くから住人の姿が見えた。既にお店を開いている者もいる。いつものように、この日も町は賑わうのだろう。

 辺りの山々は色鮮やかな紅に染まっている。しかし、今日の秋は冬に似た厳しい寒さを持っていた。きっと今日の天気は冬に近い秋なのだろう。さっきまで真冬の寒さに凍えていた三人だが、この秋も十分に寒く感じた。もしかしたら雪が降るかも・・・三人は心の中でそう感じていた。もし雪が降ったら「再び出会えるかもしれない」そんな気持ちが何となく湧いてきた。そして三人は願った・・・

 しかし、この日「おとぎの国」に雪が降る事はなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ