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序章
「お願い、もうやめて!」
真っ白な空間。
無機質な機械音が聞こえるその部屋に、少女の悲鳴が響き渡る。
こいつらに懇願したところで意味がないとわかっていても、少女は叫び続けた。
・・・グシャ。
「今回も失敗か」
白い空間は赤く染まり、少女の姿は見当たらない。少女が居た場所には、赤黒い肉塊がある。
「次はお前だ。」
「あ、あ、あぁぁァァァアア!!」
少女は居なくなった少女を探し、ようやく悟った。少女は死んだのだと。そして、自分もそうなるのだと。
「フィオラ・・・」
最後の家族を失った少女は、たった今死んだ妹の名を呼んだ。そして少女はこれからくるであろう死を受け入れた。あの世で家族に会うために。
・・・
「成功だ!」
・・・
少女の父親は・・・
少女の母親は・・・
少女の妹は殺された
醜い人の欲望が
力を得ようとしたために
一人残った少女は思う
憎い 憎い 人が憎い
憎い 憎い 世界が憎い
憎い 憎い すべてが憎い
すべてを憎んだ少女は最後
壊れた心で何思う