表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/62

睡眠不足

 ナッツを出発して3日ほど経った


 俺はちょっとした悩みが出来てしまった


「にいちゃん?大丈夫?」


 シルバが俺を見上げる


「あぁ、大丈夫だ」


 俺は笑って答える

 いや、本当はあまり大丈夫じゃない


 凄く眠い


 そう、俺の悩みとは寝不足である


 いや今まで旅してて何言ってんの?って思うだろうけどさ

 全然違うからな?今までとは!


 ナッツを出てからの俺の生活サイクルはこんな感じだ


 朝食を作って食べる

 ↓

 チョコに乗って走る走る

 ↓

 昼頃になったら休憩がてら昼食を食べる

 ↓

 チョコで走りながら狩りをしたり魔物と戦ったりする

 ↓

 夜になったら晩飯を食べて、比較的視界が良好な場所で休む


 って感じだ

 そして一人の頃は俺は何かあってもすぐに逃げれるように準備してから寝てた

 実際に魔物に襲われたときはそうやってチョコの足に頼って逃げてきた


 リーフと二人の時は交代で見張りをしたりしてなんとか寝てた


 ならシルバにも見張りをさせればいいって?

 そんな訳にはいかない!シルバはまだ子供だ!!

 子供のシルバに無理はさせたくないし!そもそも成長に影響が出るかもしれない!!

 寝る子は育つ!シルバは夜はしっかり寝るべきだ!!


 だから夜は俺は見張りをして、明け方に二時間ほど眠っている

 そうやって3日だ

 正直眠り足りなくてヤバい


 街に着いたら宿で熟睡できるんだけどな

 朝に寝れば良いって考えもしたけど、そうしたら移動に影響出るんだよな

 食料が足りなくなったら困るし……俺が無茶するしかない

 大丈夫大丈夫!まだ3日だ!やれるやれる!



「っと!魔物か!」

「とりゃあ!」


 俺が何か言う前にシルバがチョコから飛び降りて、目の前に出てきたスライムをぶん殴った

 籠手にしたのは正解だったな、シルバはかなり戦いやすそうだ


 前までは戦闘は出来るだけ避けていたけど

 あの蠍と戦った後、実戦経験を積んでいないとこの先は生きていけないと反省した

 だから今は積極的に戦っている


 まあ今回はスライムだったからシルバがさっさと倒したけどな

 ステータスを見たら力と速さはもう俺より上なんだよな……

 シルバが大人になったら、俺なんて歯が立たないレベルに強くなってそうだな


「シルバ、怪我はしてないか?」

「してないよ!!」


 シルバが俺の前に座る

 よし、出発だ!


「クェェ!!」


 チョコを走らせる



 ・・・・・・・


 運が良いと思うべきか!

 もうすぐ夜って時に野営をしているキャラバン隊と遭遇した


「そんなわけで夜を一緒に過ごさせてもらっても?」

「構わんよ!ついでに何か買っていきな!」


 キャラバンの隊長と話をして合流する許可を貰った


 これで魔物や賊に襲撃されても対応できる


「にいちゃん!なんかすごいのある!!」


 シルバはキャラバン隊の商品が珍しいのか目を輝かせている


「へぇ、初めて見るな」


 シルバが指差す商品は見たことない物だった

 ランプに似てるが……ランプとはなんか違う作りみたいだ


「お、旦那お目が高い!これは魔法道具でな!」


 商品を扱っている隊員が商品を持ち上げる


「こうやって持ち上げて振ると!」

 キュィィィィィィィン!!


 甲高い音が響く


「ぐぉ!」

「みみ……キーンって……」


 俺とシルバは耳を塞ぐ


「こうやって音で相手を怯ませることが出来るんだ!」


「いやこれ自分もダメージ受けるだろ!?」


 耳がまだキンキンいってるぞ!?


「あ~やっぱりいらない?」

「いらん!」

「だよね~これ売れないんだよね~」


 だろうな!!



 取り敢えず食料や木の実を少し買う


「にいちゃん?この木の実はどうするの?」


 シルバが俺の手の上にあるビーズくらいに小さい木の実を見る


「これか?これは砕くと胡椒の代わりに使えるんだ」


 この世界の調味料は基本高い

 塩とかなら安価で手にはいるが……砂糖や胡椒は高価だ

 塩を1とするなら砂糖が4で胡椒が10くらいの値段だ


 しかしだ!どれも料理には欠かせないものだ!

 だからこうして代用品を使うのだ

 そりゃあ本物よりは味は落ちるが……再現は出来る

 無いよりは有った方がいいのだ!


 だからこうしてすりつぶして、粉にして小袋にしまう


 取り敢えずこれで暫くは大丈夫だな


 ・・・・・・・


 その夜、俺は久しぶりに熟睡出来た


 だから起きた時は凄くスッキリしていた


「ん~!!はぁ、よく寝た」


 俺は隣に寝てるシルバを起こさないように立ち上がる


「さて、朝飯でも作るか」


 俺は料理の準備をする


「んっ?」


 周りを見るとキャラバン隊の人達も起き始めた

 …………合流させてくれた礼だ、スープくらいご馳走するかね


 俺は食料を買わせてもらい

 ついでにデカい鍋を借りた


 鶏肉で出汁をとり

 野菜を多目に入れて

 昨日作った胡椒(代用品)を投入


 そして作ったのは鶏の野菜スープだ

 シンプル・イズ・ベスト!これが美味いのだ!

 朝とかとくに効く、元気が出る

 肉もアッサリして食べやすいし、野菜も甘くてドンドン食える

 スープも飲み始めたら一気に飲める!断言する!



 匂いに釣られて何人かが寄ってきた


「よぉ兄ちゃん!いいの作ってるじゃねえか」

「だろ?昨日の礼として全員分作ってるからちょっと待っててくれ」

「おっ?くれんのか?」

「あぁ!」


 俺は味見する

 よし!完成だ!


「にいちゃ~ん!」


 シルバも起きたみたいだな!



 ・・・・・・・


 スープを振る舞ったらなんか宴会が始まった

 スープを飲んだキャラバンの料理人達が対抗心を燃やしたらしく

 パン、サラダ、ステーキ、パスタ等々

 なんか色々作ってきた

 それを全員で食べていくのだが……量が多い……

 ちょっとは自重しようぜ?



「そう言えばこのキャラバンは何処に向かっているんで?」


 俺は隊長に聞く

 場合によっては次の街まで一緒に移動したい

 安全だし


「ナッツに向かってるぞ?」


 あら逆方向


「ナッツかぁ……俺達はそっちから来たんですよね~」

「なんだ?兄ちゃん達はナッツから来てたのか?俺はてっきりフイル村から避難してきたかと思ったぜ」


 …………えっ?フイル村?

 そこってリーフの故郷だよな?

 別れてから2ヶ月以上経ってるから……そろそろ戻っていてもおかしくないよな?

 てか避難?


「フイル村に何かあったんですか?」

「あっ?あぁ、なんでも化け物みたいにデカい花が大量の花粉を飛ばしてるんだ、それで村の連中はマトモに外も歩けないらしいぞ」


 花粉かぁ……花粉症とかキツいからなぁ……

 てかまだ解決してなかったのか……

 ルナ達なら直ぐに解決すると思ってたんだが……


「…………」


 まだリーフ達は村に帰れてないのか?


「あの、隊長さん」

「なんだ?」

「ルナ……勇者が村に来たって話は聞いてないですか?」

「勇者様が?……そう言えばフイル村の近くの村に勇者が来たって話なら聞いたぞ」

 なんだ、まだ到着してないのか

 でも結構近くまで来てると

 それならもうすぐ解決だよな!


「因みにいつの話です?」

「2週間くらい前だったか?」


 ……………こほん


「その村からフイル村ってかなり離れてるんですよね?」

「歩きなら5日程で着くぞ?」


 …………


「も、もう解決してるとか……」

「解決していたら話なんて直ぐに広まるぞ?」


 ………………


「フイル村……パルム村以外の道から行けるんですか?」


「この道を真っ直ぐ行ったら分かれ道がある、右の方に行ったらフイル村に着くぞ?」



「どれくらい時間かかります?」

「お前らモフクァに乗ってるんだろ?なら2日で着くぞ?」


 …………


 本当はナッツの次の街であるカーリスに行きたかったんだが……



「隊長さん、お世話になりました」

「なんだ?もう行くのか?」

「はい」

「フイル村に行くのか?」

「はい、友人が心配なので」

「そうかい……ならこれ持ってけ、餞別だ」

 隊長はランプを俺に渡す


「ありがとうございます」


 俺はランプを受け取るとシルバを呼びにいく



「シルバ!」

「にいちゃん?」


 シルバはチョコに抱きついていた


「悪いが出発するぞ!」

「えっ?わ、わかった!」


 シルバがチョコに乗る

 俺もチョコに乗る


「いくぞ!!」


「クェェ!!」



 俺はチョコを走らせる


 フイル村を目指して










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ