少年の立場
俺はチョコを鳥小屋に戻してから宿に入る
「んっ?お客さん、その亜人は?」
「俺の仲間だ、この子の分のお金を払うから泊めてもいいだろ?」
「別に構いませんが……」
「取り敢えず風呂に入りたいからお湯を貰っても?」
「はいはい」
主人からお湯を貰い、少年を部屋まで連れていく
・・・・・
「よし、取り敢えず服を脱いで」
「ウゥ?」
「脱がせるか……ほら」
俺は少年を脱がせる
脱がせるっていうかボロ布を剥ぐ感じだな………明日服を買ってやらないとな
俺も脱いで風呂場に入りお湯をタンクに入れてシャワーを流す
「ほらここに座って」
「ウゥ…アッ」
椅子に座らせる
身体にお湯をかけて
泥だらけだな……よく流してから石鹸で泡立てて…………泡立たないな
「一回流して……もう一回洗うぞ」
シャカシャカ
2回目は凄く泡立つ
「ウゥ……」
「眼を閉じてろ、しみるぞ?」
うーん、どこから髪の毛でどこから体毛なのかわからないな
まあ自分で出来るようになったらわかるだろ?
俺は少年の泡を流した
・・・・・
「ほら身体を拭いて………タオル1枚じゃ拭ききれないか?」
少年の身体を綺麗に拭く、よしよしだいぶ綺麗な見た目になったぞ!
「さて、ボロ布を着せるのはなんかなぁ……かといって裸は駄目だろ」
俺は自分の服を取る
「………まあ仕方ないよな」
俺は服とズボンの裾を切って短くする
そして少年に着せた
「アッ……ウゥ……」
少年は不安そうだ……自分の状況が理解できてないからだろうな
「取り敢えずこれ食って寝ろ、明日から色々教えるからな?」
俺は干し肉を少年に渡す
少年は干し肉を見て首を傾げる
「食べていいぞ?こうだ」
俺はもう一枚干し肉を取り出して噛る
「ウゥ………」
少年は恐る恐る干し肉を噛る
「ウゥ!?アッ、アッ!?」
気に入ったみたいだな夢中で噛る
「よしよし!」
干し肉を食べ終えた少年をベッドに入れて俺も一緒に入る
「ウゥ……」
「ほら寝ろ、もう夜遅いからゆっくり休め」
俺は少年の頭を撫でる
「……ウゥ……ウ………」
少年が静かに眠った
俺も寝よう
・・・・・・・
翌日
「ウゥ……」
「うーん………」
宿屋の食堂で俺は少年を見ながら考える
何を食わせたら良いのか……この子は文字を読めないから何が好きか嫌いかわからん
てか狼みたいだけどネギとか食わせても大丈夫なのか?そこらへんも調べとかないとな
取り敢えず肉だな!干し肉うまそうに食ってたし!
「てなわけで肉料理たのんます!」
「あ、はい」
主人に料理を頼んで少年を見る
「ウゥ………」
少年はコップの水を不思議そうに見ている……てかコップが珍しいのか
「………ごくり」
俺は自分の水を飲む
「ウゥ……」
少年が真似して水を飲む……物覚えとかはよさそうだな
「この子がある程度喋れるまで滞在するかな……」
先ずは言葉を覚えさせよう……意思の疎通が出来ないとな
そしたら名前を聞こう……赤子の頃から奴隷らしいけど名前くらいあるだろうし………いやでも名前を理解してないかも……それなら俺がこの子に名前をつけるか……
その後は戦闘の仕方を教えて……計算とかも教えた方がいいよな?お使いとかしてもらうだろうし
あとは
「おまち!」
料理が来た
「ウゥ?」
「これはだな」
俺はナイフとフォークの使い方を教えながら料理を食べた
少年はすぐに覚えて肉を食べた……尻尾を凄い振ってるな
・・・・・・・
「さて服だ!」
「ウゥ!?」
俺は少年と服屋に入る
「いらっしゃいませ!」
「すいません、この子の服を買いたいのですが、銀貨3枚くらいで何着か買えません?」
「それでしたらこちらですね!」
「ウゥ!」
少年に色んな服を着せた……おっ、この青い服は似合ってるな
赤もなかなか………えーい全部買ってやる!!
・・・・・・
「銀貨5枚分買っちまった」
「ウゥ?」
「んっ?よしよし何でもねえよ」
俺は少年の頭を撫でる
さて宿に戻ってから色々と教えないとな
・・・・・・・
それから2ヶ月俺達はナッツに滞在した
少年に言葉を教えて
戦い方を教えて
金がヤバくなったからナッツの斡旋ギルドで仕事を紹介してもらったり
鍛冶屋での手伝いをして鍛冶スキルを獲得したり
少年の武器を作ったりした……少年の武器は指を丸出しにした籠手だ
少年は拳と爪で戦うのがあってるらしい
そして戦闘にも慣れてきてある程度喋れるようになった少年
ちゃんと飯も食うから最初は細かった身体も今では年相応だ(10歳だった)
そして
「にいちゃん!朝だぞ!」
「ん?もうか?」
俺は少年に起こされる
「今日出発するんだよね!」
「ああそうだよ、ナッツから出るんだ、次のカルスって村を目指してな」
「楽しみだね!!」
少年は尻尾をパタパタ振っている
「よし、俺は準備しておくから………シルバはチョコを鳥小屋から出してくれるか?」
「うん!!」
少年……シルバは外に出た
眼が銀色だからシルバと俺が名付けた、シルバーにしようと思ったけどシルバの方が語呂がいいしな
喋れるようになったときは俺の事をご主人様と呼んできたが俺はシルバが奴隷じゃないことをしっかりと話した
そうしたらシルバは自分が何者かわからなくなって不安になっていた
だから俺はシルバに言ったんだ
『お前は俺の弟だ、これからは俺の事を兄と呼べ!』
それからは『にいちゃん』と呼ばれてる、悪い気はしないな
「にいちゃーん!!チョコ出したよー!!」
「おーう!!」
さて、俺も出るか
・・・・・・
宿からでてナッツの出口まで歩く
「ほらシルバ!」
「うん!」
俺はシルバを前に乗せて抱き締めるように固定する、落ちないようにだ
「よし!出発!!」
「出発!!」
「クェー♪」
こうして俺達はナッツを出発した
設定
シルバ
10歳の狼の亜人の男
最初こそカケルにも遠慮してたが現在はカケルの弟として接している
カケルによく甘える
カケルはそんなシルバをよく撫でる
血の繋がりもないし種族も違うが二人は立派な兄弟である




