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奴隷の証

ナッツにあるレストラン


そこに1人の男が遅い食事をとっていた


外は真っ暗でたまに月明かりが都を照らした


「………ふむ」


男は食事をしながら思っていた

奴隷を買い取って飛び出した男が戻ってくるのが遅いと


「死にましたかね……」


朝に調査隊を送るかと考えながら水を飲む


カランカラン


誰かが店に入ってきた


足音が自分に近付いてくる


バンッ!


自分の足下に何かが置かれた

男は自分の隣に立つ者を見る


「あの魔物は崖に落ちて死んだ、朝になったら確認してみてくれ」


そう言って男……カケルは男を見ていた


・・・・・・・


ーーーカケル視点ーーー


すっかり遅くなってしまった

魔物の脚を回収してから斧の刃を回収してってやってたらもう深夜だ

このレストランが深夜も営業してて良かった

中には秘書の男だけが居た……主人の方は帰ったのか?


「奴隷は?」

「この子だろ?」


俺は俺の後ろに隠れていた少年を見せる


「ウゥ……」


少年は秘書を見て怯えている


「へぇ、助かったのですか」


秘書がそう言ってゴソゴソと紙を取り出した


「これは?」


俺が聞く


「奴隷の所有権です、ここに貴方の名前を書けば正式にその奴隷は貴方のです」


俺は書類を受け取り名前を書く


「はい確かに」

「他に書類はあるのか?」

「こちらですね」


秘書がもう一枚書類を出す


「これは?」

「これはその奴隷が奴隷である証明です」

「へぇ……」


俺は受けとる


「もう無いんだな?」

「えぇ、その2枚で全部ですよ」

「この子の立場は紙2枚か……」

「奴隷ですからね」


……………


「ちょっと灰皿借りるぞ?」

俺はテーブルにある灰皿を引き寄せる


「んっ?煙草を吸うので?」

秘書がマッチを目の前に出す……すぐに出したのは職業柄なのか?


「いや吸わない、こうする!」


ビリビリビリビリ!

俺は2枚の紙を破る

半分破り、更に半分に破る、千切り、細かくする


「……………」


秘書が黙って俺を見る

俺は細かく千切った紙を灰皿に入れて


ボッ!


マッチで火を点けて燃やした


「これでこの子はもう奴隷じゃないな?」

「そうなりますね、それで?奴隷じゃなくなったその子をどうするんです?」

「この子を親元に帰すさ」

「無理ですね」

「なんでだ?遠いのか?」

「その子の両親は既に死んでいます、その子が奴隷になったのはそれが理由らしいですからね」

「…………」

「どうします?親戚でも探しますか?その子は赤子の頃から奴隷商の所に居たそうですから、その子も親戚はわからないと思いますよ?」

「………なら育てるさ」

「育てる?」

「この子はまだ子供だからな、俺が教えれる事を教えていくさ、言葉はあまり喋れないみたいだから喋れるようにするし、元気になったら戦いかたも教える……旅をしながらでも出来るからな」


そして……いつかこの子が自分で暮らしたい場所を見つけたら

後はこの子の自由だ


「もう奴隷じゃないんだからな」


「ふーん……いい人に拾われましたね」


秘書が少年に言う


「アゥ……」


少年はまだ状況が理解できてないみたいだ


「取り敢えず俺達は休む…じゃあな」

「おっと、少々お待ちを」


秘書に呼び止められる


「なんだ?まだ何かあるのか?」

「これを渡します」

「んっ?」


小袋を渡させる

中には数枚の銀貨が入っている


「これは?」

「この素材の買い取り金です」


秘書が足でツンツンと魔物の脚を蹴る


「そうかい、じゃあな!」


俺は少年を連れてレストランを出た………ここで飯を食いたかったけど金がね……


・・・・・・


ーーー秘書視点ーーー


「…………やれやれ、本当に助け出すとは」


私は灰皿を見る……奴隷の所有権や証明書は燃え尽きていた


「本当に…いい人に拾われましたね」


カケルの眼は真剣だった、あの男なら少年を大事に育てるだろう


「……羨ましいですね」


私は右手の手袋を外して右手の甲を見る

そこにある奴隷の証


「…………」


私は主人に買われてから必死に様々な事を覚えた

有能な存在に必死でなった

そうしないと待つのは死だから


「………ふっ」


私は手袋をはめて水を飲む


「私も帰りますかね」


私は席を立つ

そして金を払い店を出た






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