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勉強と金の価値

フーラ村で住み始めて今日で2週間経った


「ふぅ・・・」


「これぐらいにしやすかい?」


一息ついた俺に話し掛けたのは狩人をやっている『アラン』だ


「収穫は?俺はウサギが3匹」


俺はウサギを見せる


「おっ、狩人始めて1週間でもうそこまでやるとは!才能あるんじゃないんすかい?」


そう言ってアランは鹿と猪を見せてきた


「・・・いや~俺はまだまだだな」


今俺はアランと一緒に狩りをしていた


木こりの仕事は2日前から休みだ、というのもリュードさんが他の村人数人と一緒に他の町に収穫した食べ物や薪を売りに行っているのだ


「さて、アッシはこれからこの獲物を捌きますが・・・カケルはどうしやす?アッシがそのウサギも捌きやしょうか?」


「いや、自分でやってみるよ・・・やり方は一応教わってるし・・・」


「そうですかい?なら頑張ってくだぁさい・・・個人的にウサギは焼いた方が旨いですよい」


「ならステーキにでもしてみるかな・・・」


そう話してから俺は今いる森から村に戻った



・・・・・・



狩りを終えた次の俺のやることは


「ここを間違えてますね」


「こうですか?」


ステラさんから文字を教わることだ


「はい、これなら子供と同じくらいの読み書きは出来ますね」


「これだけ覚えたのに子供レベル・・・」


英単語を覚える方が楽だぞ?


「ふふ♪先は長いですよ、ハーブティー飲みます?」


「いただきます」


どうしてリュードさんではなくステラさんから教わっているかというと



『すまないが俺はこういうのを教えるのは苦手でな・・・ステラ、お前だけが頼りだ!』


『わ、私がですか?わ、わかりました!任せてください!!』


って感じで決まったのだ



「ふぅ・・・やっぱりあの反応はどう考えてもそうだよな」


「どうしたんですか?」


「ステラさんってリュードさんの事好きでしょ?」


「!!!?」


おぉ、真っ赤になった


「な、なななな何を言っているのですか!!そそそそそそそそんなわけ!!」


「そんな動揺しながら言われても・・・誰にも言いませんよ」


「うぅ~絶対ですよ?」


「はい、約束します」


でも気になるな


「リュードさんのどこに惚れたんですか?ちょっと詳しく・・・」


「へっ?いや、その・・・」


・・・・・・言えないのかな?


「ひ、秘密ですよ?」


「はい!」


っしゃあ!


「あれは私がこのフーラ村に来たときです」


・・・・・・・


『はぁ・・・はぁ・・・もうすぐですね』


私は街道を歩いていました・・・かなりの距離を歩いていたので少し疲れていましたね


グルルルル!


『えっ?なんです今の?』


その時呻き声が聞こえて


「ガゥゥゥゥ!!」


『ウ、ウルフ!?きゃあああ!!』


ウルフという魔物に襲われたときに


ザクッ!



『・・・・・?』


いつまでたっても痛みが無いので目を開けたら


『大丈夫かい?お嬢ちゃん』


リュードさんがウルフを倒してくれてました


・・・・・・


「それで惚れたのですか?」


「厳密に言えばその後の事で・・・」


「後?」


「どうして私を助けてくれたのか聞いたのです・・・言いにくいのですが亜人と人間の仲はあまり良くない所が多かったので」


「この村では皆仲良しですけどね」


「そうですね♪」


「それでリュードさんはなんて?」


「リュードさんは言ったのです『助けるのに理由なんかいるのか?』って・・・それを聞いてなんて慈悲深い方なのかと思いました・・・そして気がついたら・・・きゃ♪」


「あーリュードさんらしいな・・・」


あの人トカゲなのに時々格好いいことするからな・・・リュードさんマジイケトカゲ



コンコン


不意にドアがノックされる


「開いてますよ?」


俺が答える


「よっ!ここに居たか!」


「リュードさん!?」


ステラさんがリュードさんに驚く


「帰ってこられたんですね!怪我はありませんか?」


「大丈夫だ、それよりカケルに用があってな」


「えっ?俺に?」


俺に用なら家に帰った後でもいいのに


「これを直ぐに渡したくてな」


ガシャリ



リュードさんは小さな革袋を俺の目の前に置く


「これは?」


「お前の取り分」


「えっ?」


袋の中を見ると


ジャラジャラ


お金が中に入っていた


「えっ!?ちょ!?う、受け取れませんよ!?居候の身なのに!」


「いやいや受け取れよ!」


「だって俺居候ですよ?衣食住を世話してもらってるのに更に金を貰うなんて!」


「なにか勘違いしてないか?お前はもう居候じゃないぞ?」


「へっ?」


「お前はもう住み込みで働いてる俺の部下だ!仕事を手伝ってもらってる以上賃金を払うのは当たり前だ!」


「なっ!?いつからリュードさんの部下に!?」


「働き始めたときからだ!!だから遠慮なく受け取れよ!」


「で、でも・・・」


「カケルさん・・・ちゃんと受け取ってください・・・リュードさんの言うとおりそれは貴方が働いて得たお金です」


「・・・・・」


「カケルさん」


「わ、わかりました・・・ありがたく頂きます・・・」


ステラさんの『これ以上リュードさんを困らせないで』って目が言ってる・・・怖いんだけど


「ははは!ステラが居るときに渡して良かった!」


この人こうなることがわかっていて今渡したな!?


「じゃあ俺は村長に報告があるから!」


そう言ってリュードさんは出ていった


「あぁ、リュードさん・・・」


ステラさんはリュードさんを見送っていた



「・・・・」


俺は袋を覗いて金を数える・・・


銅貨が3枚に銀貨が1枚か・・・確かお金の価値は

銅貨<銀貨<金貨

で更に

銅貨100枚=銀貨1枚

銀貨100枚=金貨1枚

だったな・・・てことは銅貨で103枚分のお金か・・・多いのか少ないのかわからないな


「まぁ、貯金かな・・・」


特に欲しいものは無いし・・・食料は狩りでなんとかなるし


「さて、カケルさん!勉強の続きですよ!」


「あっ!はい!」


取り敢えず文字を覚えないと買い物もマトモに出来ないよな


・・・・・・・



「こっちだ村長!」


そこにはリュードとアラン、他に村の男衆と村長が居た


「これは・・・」


村長があるものを見て驚く


村長が見たものは・・・







男性の死体だ




「恐らくウルフに殺られたんだろうが・・・問題は足跡の数だ」


「こりゃあ、群れっすね」


ウルフの足跡を見てアランが言う


「・・・・・遺体を埋葬し、暫くは一部の者以外が村から出ることを禁ずる」


「それが妥当か」


「一部の者って誰っすかい?」


「リュードとアラン・・・それと」


村長が数人の名前を言う


「今言った者達は警戒しながらウルフの対処をしてほしい・・・」


「わかった、任せろ」


リュードを始め、男衆が頷く




村に危険が迫っている事を


「・・・・んっ?」


カケルはまだ知らない





アランにタメ口なのは歳が近いからです

カケル→17歳

アラン→19歳

ステラ→25歳

リュード→39歳

です

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