迷宮探索1
ゾルアに引きずられるように無理矢理連れてこられて
「ここがトルアの迷宮さ!!」
「これが?」
俺の前には石で出来た出入口があるトンネルがあった
「・・・」
なんていうかショボい・・・これ本当に迷宮なのか?ただのトンネルじゃないのか?
「さぁ!早速入ろうか!!」
「・・・マジで?」
俺全くやる気出ないんだけど・・・これが見るからに迷宮とか遺跡ですよ!って感じなら少しはワクワクしたけどさぁ・・・これトンネルじゃん!?
「さあさあカケル君!」
「いやちょっ!?押すなぁぁぁ!!」
俺はゾルアに押されてトンネル・・・迷宮に入った
チョコは外で留守番だ
ーーーーーーーーー
「うぉぉぉぉ!?」
ゾルアに押されながら入った迷宮は外のトンネルみたいな外観からは想像できないような内装だった
まず壁がなんか光ってる・・・触ってみたらガラスの様な感触だ・・・尖ってたら怪我してるな
「驚いたかい?」
ゾルアが俺に言う
「あのトンネルがなんでこうなってるんだ?」
「これが迷宮の不思議な所さ、外と中で違う材質で出来ている、ここは中の方が派手だね、他の迷宮だと見た目は豪華なのに中は廃墟みたいな迷宮もあるんだよ。」
「へぇ・・・」
少しテンション上がってきた
「それじゃ進もうか!」
「おぅ!」
俺とゾルアは奥に進む
途中に分かれ道があれば
「さてどっちに行こうか?」
「これって間違いの道を選んだら罠で死ぬとかそんなパターン?」
「さあどうだろうね?」
そう言ってゾルアが右の道を行く
「こっちでいいのか?」
「なんとなくなんとなく!ヤバイと思ったら逃げよう!」
「・・・・」
大丈夫か?
右の道を俺達は進む
ーーーーーー
「・・・・」
ピタッ
ゾルアが足を止める。
「?、どうした?」
「カケル君・・・どうやらこっちはヤバイ道だったみたいだよ。」
「えっ?」
ゾルアが口に人差し指を当てて静かにっとジェスチャーを俺に送る
「・・・・・」
俺は口を閉じて耳をすませる
・・・・・・グルル
何かの鳴き声が奥から聞こえる・・・
「どうする?戻る?それとも奥の奴を見てみる?」
ゾルアが俺に問う
「奥の奴を見て無事に戻れるのか?」
「それはカケル君次第だね・・・どうする?」
・・・・・・・・気になるが・・・
「ゾルアは戻っててくれ、俺1人で行ってみる。」
「1人でいいのかい?」
「ゾルア戦えないだろ?最悪チョコの所まで戻ってていいから」
この奥が危険なのはなんとなくわかるが・・・何がいるのかっていう好奇心の方が強い・・・俺の好奇心にゾルアを巻き込むわけにはいかない・・・
・・・・いや迷宮探索はゾルアに巻き込まれた事なんだがな。
「わかったよ、じゃあ僕は分かれ道まで戻ってるからヤバイと思ったら逃げてきなよ。」
「わかった。」
ゾルアが戻って行くのを確認してから俺は慎重に進む
抜き足
差し足
忍び足
静かに足音をたてないように歩き、出きる限り気配を消して進む
そして広場に出た、俺は壁に隠れながら広場を見る
「・・・・・っ!?」
俺は好奇心で奥に来たのを後悔した、すぐに戻るべきだった。
広場は壁が光ってるのか明るく中の様子がよく見えた
広場にはさっきの鳴き声の奴がいた
グルル・・・グルル・・・
それはドラゴンだった・・・この世界でもドラゴンと呼ぶのかは知らないが俺が知る限り広場に居たのはドラゴンだ
大きな身体
禍々しい翼
なんでも砕きそうな牙
全てを畏怖させる眼
「・・・・・・・」
その姿を見ただけで俺は恐怖を感じていた・・・幸いドラゴンはまだ俺に気付いていない・・・広場の奥にある壁を見ておりたまに周りを見渡している
・・・あの壁を守ってるのか?
壁には紋章があるみたいだ・・・みたいってのはここからじゃドラゴンの身体で隠れて壁の一部しか見えないからだ
「・・・・・・」
俺は静かに・・・静かに後ろにさがる・・・
音をたてないように・・・小枝などを踏んで音をたてるなんてあってはいけない。
ドラゴンに見つからないように・・・全神経を集中させて俺は戻る・・・
ーーーーーーーーー
「何を見ました?顔真っ青ですよ?」
分かれ道まで戻った俺を見てゾルアが聞く
「ド、ドラゴンがいた・・・」
「ドラゴン?・・・あの禍々しい魔物ですか?」
どうやらドラゴンはこの世界でもドラゴンでいいらしい
「あれはヤバイ・・・見つからなかったから良かったが・・・見ただけで身体が震えて・・・本当に怖かった・・・」
「少し休みますか?」
「だ、大丈夫だ・・・速くここを出よう・・・奴がこっちに来たら・・・」
「大丈夫ですよ。」
「何でそう言える!?・・・!」
俺はゾルアに怒鳴った後にしまったと思い口を塞ぐ
・・・ドラゴンに気付かれてないよな!?
「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ!だってドラゴンはこっちにこれないんですよ?」
「だからなんで!?」
「簡単な事です!だって道が狭いんだから♪」
「・・・はっ?」
「いいですか?そんなドラゴンがうろちょろと迷宮を徘徊してたら道も当然広くなってる筈ですよ?ドラゴンが壁を壊しながら進むんですからね♪でもここまでの道で少しでも壊れた所がありましたか?この道がドラゴンが通れるくらい広く見えますか?」
「・・・あっ」
言われてみればそうだ・・・あんなデカイ奴が動くには少なくともあの広場くらいの広さは必要な筈だ・・・
「納得しました?」
「あ、あぁ・・・悪いな怒鳴って。」
「良いんですよ♪じゃあカケル君が落ち着くまで休憩しましょう♪ちょうどお茶を淹れたのでどうぞ♪」
「あ、ありがとう・・・」
俺はゾルアから紅茶を受け取り飲む・・・
少し・・・落ち着いてきた・・・
「それにしてもゾルアは新米トレジャーハンターにしては随分落ち着いてるな?さっきの猪に追い掛けられてる時とは別人みたいだぞ?」
「新米ですけど迷宮探索は何回か仲間と経験しましたからね♪」
ゾルアは笑いながら答えたのだった




