揚げ物は美味い
本屋での買い物を終えてダナさんの酒場に向かう
「そういえばリーフは何の本を買ったんだ?」
「えっ?えっと・・・これ!」
リーフが袋から出した本のタイトルを読む
「なになに・・・『貴方のそばに』?」
「ハーツって人の最新作だよ♪」
「小説か・・・タイトル的に恋愛系か?」
「うん!昔からこの人の本が好きなんだ。」
リーフは嬉しそうに本を抱き締める
「ふーん・・・小説かぁ。」
そう言えば俺も読んでたなぁ、ラノベだけど・・・ラノベじゃない小説は読んだこと無かったなぁ
「俺もそういうの読んでみるかな・・・」
「カケルも読む?だったら読み終わったら貸すね!!」
「おぅ、頼むな。」
ーーーーーーーー
酒場に着いたら早速仕事が始まる
ワイワイガヤガヤ
「今日も多いっすね。」
俺は料理を作る
「メイド効果だね・・・うん、あたいの眼に狂いはなかった。」
「てかダナさんずっと座ってますけど働かないんですか?」
「あたいはたまに歌ったりしてるよ、昨日はやらなかったけど・・・後で歌うかね。」
「へぇ、自信満々ですね。」
女将が歌う・・・なんかスナックみたいだな・・・行ったことないけど
「それともうひとつ理由があるけどね。」
「?」
「ステーキお持ちしました!!」
コトッ
リーフがテーブルにステーキを置く
「おぉ!お嬢ちゃん可愛いね!姉さんも若い子を雇ったね!!」
ぷにぃ
「きゃあ!?」
話ながらおっさんがリーフのお尻を掴んだ
「あの野郎!」
それは駄目だろ!!
俺はリーフを助けに行こうとしたら
ヒュッ!
パンッ!
「あいだぁぁぁぁぁ!?」
「えっ?えっ?」
おっさんが倒れる
「わ、私何もしてないよ!?」
リーフは混乱する、そりゃあ振り返ったらおっさんが痛がりながら倒れたんだから驚くよな
そして確かにリーフは何もしてない・・・やったのは
「なにやってんだい?」
ダナさんだ
俺は見た・・・何処からか鞭を取り出して離れたおっさんをしばいたのを
「あ、姉さん・・・いや、これはスキンシップで・・・」
「・・・・・・はぁ?」
ダナさんがおっさんに近付く
「・・・・あぅ」
リーフの顔が青くなる・・・ダナさんが怖いんだろうな、わかる、凄くわかる
「リーフ。」
俺はリーフの側に行く
「うぅぅ!」
リーフが俺の後ろに隠れる
「リーフちゃん、あんなに怯えてるじゃないかい・・・それで?スキンシップ?」
いや、リーフが怯えてるのは貴女が怖いからです
「ひっ!す、すいません!!」
おっさんが謝る
「すいませんで済んだら騎士はいらないんだよ!!」
パンッ!パンッ!パシン!!
「あぁぁぁぁぁ!!」
ダナさんがおっさんを折檻する
「姉さんの鞭・・・久しぶりに見たぜ」
「う、羨ましい」
「あれは暫く痛むな・・・」
周りの客が呟く・・・
おいマゾが居なかったか?
シュゥゥゥゥとおっさんが煙を身体から出しながら気絶する
「全く!リーフちゃん大丈夫かい?こんな奴は遠慮なくぶっ飛ばしていいからね?」
「は・・・はい・・・」
リーフすごい震えてるな・・・
ーーーーーーー
気を取り直してリーフは接客をする
「そう言えば揚げ物とか食ってないな・・・」
俺はメニューを見ながら呟く
「アゲモノ?なんだいそれは?」
ダナさんが反応する
「えっ?知らないんですか?フライですよ?」
飲み屋なら普通有るよな?唐揚げとか
「聞いたことないね。」
「いや、揚げ物ですよ?焼く煮る蒸す揚げるの。」
「焼く煮る蒸すはわかるけどね・・・なんなんだいアゲルってのは?」
・・・この世界には揚げるってのは無いのか?
「ちょっと待ってください・・・」
俺は食材を調べる
チキン・・・あるな
片栗粉は・・・ないか?小麦粉だけで大丈夫か?
あと胡椒と・・・生姜はないか・・・おっ!『ルルムの実』!確かこれが生姜っぽい味だったな・・・これを使うか
醤油が無いけど・・・何か代わりになりそうなものを使って・・・
一通りの材料を取り出して俺は作り始める
ジュワァァァァ!!
「んっ?」
「なんだこの音?」
客が話を止めて黙る・・・
ジュワァァァァ!
酒場に唐揚げを揚げる音が響く
「カケル?何してるの?」
「唐揚げ作ってる。」
「そんなに油を使うのかい?」
「使いますよ。」
もう少しで・・・
ジュワァァァァ!!
「なんか良い匂い・・・」
リーフが覗く
「油が跳ねるから離れてろ。」
「うん・・・」
・・・・そろそろだな
「よし!」
俺は唐揚げを油とりの上に置く
「これがアゲモノかい?」
「えぇ、揚げ物料理の1つです。」
俺は唐揚げを皿に移す
コトッ
「はいどうぞ!ほらリーフも!」
俺はダナさんとリーフに勧める
「こんなの初めて見たよ・・・大丈夫なのかい?」
ダナさんが唐揚げを見ながら言う
「カケルが作ってるから大丈夫だと思うけど・・・」
リーフが唐揚げにフォークを突き刺す
・・・・
「えい!」
パクッ!
リーフが唐揚げに口を付ける
サクッ!
ジュワ・・・
「・・・・!!?」
ムグムグ・・・コクン
「美味しい!!」
唐揚げを飲み込んだリーフは驚愕した
「へぇ、じゃああたいも・・・」
サクッ!
ジュワ・・・
「!!?こ、これは美味い!!ちょっと!あんた達も食べてみなよ!!」
ダナさんが客に勧める
「姉さんが勧めるなら・・・」
サクッ
「そんなに?」
サクッ
「いただき!!」
サクッ
・・・・・
『美味い!?』
客達が驚く
「はいはいどんどん出来るよ~」
俺は次々と揚げていく
「うめえじゃねえか!!酒追加!!」
「酒がすすむ!と、止まらねぇ!?」
どうやら好評の様だ
「揚げ物・・・テンプーラと似ているな。」
客の一人が言う
「テンプーラ?・・・天ぷらか?」
なんだ?揚げ物あるじゃないか!
「東のフランシス王国の方にそんな料理を提供する店があるんだよ、俺も一度行ってみてな・・・あれは美味かった・・・まさかここで食えるとは。」
「言っときますが天ぷらと唐揚げはまた違いますからね?」
とり天と唐揚げは全然違う!!
でもフランシス王国か・・・東の大陸だから和の国なのか?名前は洋風なのに・・・
この後ダナさんに唐揚げの作り方のレシピを書かされたのはここだけの話にしよう




