宿屋の仕事
「いや~助かるよ~」
小太りの男性がそう話す
「本当にピンチでね~人手がね~」
なんかよく伸ばす人だね~
「それで一体何をすれば良いんですか?」
「そうだね~君にはね~部屋の掃除と料理をやってもらえるかね~?」
「部屋の掃除と料理を?」
「そうだなんだよね~いやね~うちのね~妻がね~今まで料理をやってくれてたんだけどね~今ね~子供がね~出来てね~何か有ったらね~大変だからね~休んでもらっててね~」
「はぁ、奥さんが・・・」
結婚してたんだ・・・
「私ね~家事の殆んどができるんだけどね~料理だけはね~全然でね~あのテーブルに乗ってるのがね~さっき作ってみた奴なんだけどね~」
俺はテーブルに視線を移す
「わぉ・・・」
そこには・・・えっと?これは・・・緑色であり赤くもあり黄色でもあり・・・とにかく謎の物体が有った
「作った本人もね~とてもね~食べる気にはなれなくてね~一応ね~親戚で料理が出来る子をね~呼んでいてね~ここに来るまでにね~時間がかかるからね~その子がね~来るまでね~働いてくれたら助かるね~あ、でも都合が悪ければいつでもやめて良いからね~」
「そうしたら料理は?」
「暫くはね~休業だね~もしくは食事は無しだね~まぁ、その時は代金を割引きして提供するけどね~」
「・・・・取り敢えず俺は1週間程働かせてほしいのですが・・・」
「1週間だね~よろしくね~今日はもう中途半端なね~時間だからね~そこのね~部屋でね~休んでてね~」
「良いんですか?」
「その代わりにね~明日はね~朝かなり早いからね~しっかりね~働いてもらうね~?」
「はい!よろしくお願いします!」
「あ、そういえば何だかんだで自己紹介してなかったね~?」
「あ、そういえば・・・」
募集を受けたいって言った途端にさっきの会話が始まったからな
「私はね~スイムってね~言うんだよね~」
「俺はカケルと言います。」
「カケル君だね~よろしくね~」
お互いに挨拶をして俺は言われた部屋に入った
・・・・・・・
宿屋の朝は本当に早かった
深夜2時
「起きてね~」
「・・・ふぁい?」
深夜2時に仕事は始まる
「空き部屋の掃除と宿泊客の朝食を頼むね~私はね~風呂場の掃除をしとくからね~」
「わかり、ました・・・」
俺は寝惚けた眼を擦りながら仕事を始める
空き部屋の掃除
「空き部屋は5部屋か・・・時間かかりそうだな」
先ずははたきで埃を落として
床を掃いて
次に水拭きからのから拭き
それを繰り返す
次に朝食の用意だ
この時点で時間は4時
「スイムさんの奥さんが書き残したレシピか・・・細かく指示が書いてるな」
食材や調味料の量に調理手順に調理時間まで書いてる・・・
取り敢えずレシピ通りに作っていく
・・・・・・
「っし!出来た!!」
今回のメニューは
林檎のサラダ(サラダに刻んだリンゴを乗せたやつ)
鶏肉のソテー(油を落としてアッサリとした食感)
パン(フランスパンみたいなパン)
「さて、これを部屋に運ぶのか?そういえばスイムさんは何をしているんだ?」
風呂場の掃除をすると言ってから見てないけど
俺は風呂場に向かう
・・・・・
「スイムさーん?」
俺は風呂場でスイムさんを呼ぶ
「・・・居ない?掃除は終わってるな・・・ん~?」
どっか行ったのか?
コーン!コーン!
「?」
外から音が聞こえる
ガチャ!
「んっ?」
俺は窓を開けて外を見る
「あっ、それ!あっ、それ!」
コーン!コーン!
「スイムさん?何してるんです?」
「あ~?薪割りだね~薪がね~切れててね~」
「・・・・」
俺は割られた薪を見る・・・断面がボロボロで正直下手だ
「俺がやりましょうか?」
「えっ?良いのかね~?」
「前まで木こりやってたんで任せてください!」
「有り難いね~♪なら食事は私が運んでおくね~」
俺は外に出てスイムさんと変わる
「っし!割るか!それそれそれそれ!!」
パカン!パカン!パカン!パカン!
俺は次々と薪を割る
30分経つ頃には全ての薪を割り終わった




