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ウルフ撃退

俺はウルフを追う


「くっそ!足速いな!!」


森の中に入った所でウルフを見失った・・・


「はぁ・・・はぁ・・・」


だが俺は焦ってはいない


「狩りの基本、獲物の痕跡を調べろ」


俺は地面を見る・・・月明かりに照らされた地面には色んな足跡がある


「・・・あった!」


俺のその足跡から新しいウルフの足跡を見つけた


「アランから見分け方を教わっていて正解だったな!」


俺は足跡を追う


・・・・・



「・・・・・ここで足跡が途切れてる?」


暫く走って俺は森の奥に来ていた



「・・・・・」


俺は周りを見渡すがウルフの姿は無い・・・足跡も間違いなくここまで・・・・・・


「・・・まさか足跡を辿っているのがバレていた?いやいやウルフに人を騙す事なんて」


『グルルルル!』


「出来たの?」


周りの木々からウルフが現れた・・・1、2、3・・・10匹


「や、ヤバいな・・・」


俺は斧を構える


「・・・・来いよ!」


声が震える・・・来いよとか言ったが正直来てほしくない


『ウォォォォン!!』


ウルフ達が遠吠えをして飛び掛かってきた


「おっらぁぁぁ!!」


飛び掛かってきたのは3匹!俺は斧を振るい一番低く跳んだウルフに斬りかかる


ザクッ!

ドシャ!


斧はウルフの腹に食い込みそのまま横に飛ばした


「ガゥゥゥ!!」

ガブッ!


「いっつぅぅぅ!!」


他の跳んできた2匹のウルフ、1匹は避けれたがもう1匹が俺の脚に噛みついた


「っらあ!!」


俺は噛みつかれた脚を振り木にウルフを叩きつける


「ギャン!」


ウルフが口を開いて脚から離れた


「くっ、いてぇな・・・」


ドクドクと噛まれた所から血が出ている

だがまだ動ける


「この!」


俺は噛みついていたウルフに斧を振るう


ザクッ!


斧が避けようとしたウルフの横腹を斬った


「グゥゥ・・・」


斬られたウルフは少し暴れた後、動かなくなった


「あと8匹!!」


『グルァァァァ!!』


「うっそぉ!?」


ウルフ達が一斉に襲い掛かってきた


ダンッ!


俺は横に飛び退く


ガブッ!


「ぐぅ!?」


しかし避けきれずに1匹が俺の右肩に噛みついた


ガブッ!

ガブッ!

ガブッ!


「がぁ!!」


1匹が横腹を

1匹が左腕を

1匹が俺の靴ごと右足に噛みついた


「いっ・・・がぁ!」


ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!

何とかしないと食われる!

食いちぎられる!!


「っああ!!」


俺は右手で持っている斧を振るが・・・ウルフは動じない

ちくしょう!ここで死ぬのかよ!


「うわぁぁぁぁぁぁ!!」


俺は叫んだ

身体中の痛みからの悲鳴か

死への恐怖からの悲鳴か

何にも出来ない悔しさからの叫びか

どんな感情で叫んだのかは俺にもわからなかった・・・



ヒュッ!

ドスッ!


「ギャン!」


ウルフの声が聞こえて横腹の痛みが少し和らいだ


ヒュッ!

ドスッ!

ヒュッ!

ドスッ!


左腕の痛みが、右足の痛みが和らぐ・・・まるで注射の針が抜かれた後の様な解放感


「リュードさん!今っす!!」


「おおっらぁぁぁ!!」


「ギャン!」

「ガゥ!?」


凄く聞き覚えのある声が聞こえた・・・んっ?


「カケル!大丈夫っすか?アッシがわかりやすかい!?」


「・・・ア、ラン?」


「意識はありやすね!直ぐに止血しやす!」


ギュウ!と俺の腕や脚に何か巻かれて締め付けられた


「アラン、カケルを見てろ!残りは俺が()る」


「リュ・・・ド、さん」


「カケル、そこで見てろ・・・ついでに技能の事を更に教えてやるよ」


リュードさんがこっちに振り返りながら言う


リュードさんの後ろから残りのウルフが飛び掛かる


「技能には複合ってのがある・・・見てろよ!」


リュードさんがウルフを見る


『木こり技能・両断』+『戦士技能・粉砕』


「くらいな!『一撃両断』!!」


ブン!


リュードさんが斧を振る


しかし何も起きない


ウルフ達はリュードさんに飛び掛かっていく・・・・・・・・


ドシャ!

ドシャ!ドシャ!


「うぇ!?」


次の瞬間、飛び掛かっていたウルフ達が真っ二つになった・・・全てのウルフが一気に


「これが複合技能だ!」


そう言ってリュードさんはウルフの死骸を見る


「有ったぞ、結界石!」


そう言ってリュードさんは笑いながら俺とアランに振り返った


・・・・・


「カケル大丈夫っすか?」


「一応生きてはいるよ・・・」


俺はアランにおんぶされる


「でもよくここに来れましたね?」


俺は二人に聞く


「結界が消えたのが見えてな、急いで教会に向かってステラから話を聞いた」


「後はアッシがカケルの足跡を追ったんすよ」


「流石・・・助かりました」


「良いってことよ!」


アランとリュードさんが歩き出す


「もうウルフは大丈夫なんですか?」


「殆ど片付いた、もう大丈夫だ」


「そうか、良かった・・・」


俺はアランにおんぶされながらさっきのウルフ達の死骸を見る


「複合技能、凄いですね・・・真っ二つだ」


「特定の技能が有ったら誰でも出来るぞ?」


「まあリュードさんのあの技能を手にいれるまでが大変なんすっけどねぇ」


「はは・・・んっ?」


俺は離れていくウルフの死骸を見ながらふと気づく


さっきリュードさんが結界石を回収したウルフだけ傷が多いことに


(他のは真っ二つなのに・・・アイツだけ喉の辺りも切れてるな・・・それだけ凄い威力だったのか)


俺はリュードさんの凄さを実感していた




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