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【詩集】Shangri-La

海に咲く百合

作者: 野鶴善明

 海を見下ろす丘の

 古ぼけたベンチに腰掛けて

 輝く沖を見つめた

 そっと伝えたい言葉があって

 とても言い出せなくて


 海風に揺れる花のように

 うなずくあなたがまぶしかった

 どんなことを話したのか

 もう忘れてしまったけど


 たった一度の

 一度きりの

 海に咲く百合でした



 ゆったりと羽を広げ

 やわらかい弧を描いて舞う

 海鳥はいつまでも漂って

 わたしも遠くへ行ってしまうのと

 あなたはぽつりと言った


 よく晴れた午後の海原が

 僕の心をかげらせるから

 水平線に浮かべた恋心は

 海の向こうへこぼれ落ちる


 たった一度の

 一度きりの

 海に咲く百合でした


 たった一度の

 一度きりの

 やさしい百合でした



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― 新着の感想 ―
[一言] どうも!またまたお邪魔いたします。 「水平線に浮かべた恋心は海の向こうへこぼれ落ちる」 この一文がとてつもなく良いです!この表現好きです。 読んでいる時も読んだ後も、切ないのにどこかゆったり…
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