来たよ!
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一守琉伊。
それは人の姿用の名前。
どこから引っ張り出したかといえば、パルパニエの製作者が一守夏芽と言ったらしいコトに由来している。
姓を借り、名については『るぅるぅ』から、るをとって琉伊としたのだ。
渚が学校に出かけてしまってから渚の部屋でごろごろ。
人の姿をとってみる。
視線位置を考えるに汐よりちっちゃい!?
昼間はこんなものかなとも思うがちみっこ扱いがまぬがれない気がするのだ。
確認終了!
ちゃんと低影響で人化できるぞ!
お腹空いたのだー。
のじのじと渚の布団に埋もれる。
早く帰ってくるのだー。
ズリズリと匍匐前進。
目指すは階下の厨房。
るぅるぅはお腹空いたのだー!!
我慢したくなくなって渚の部屋から抜け出す。
しばらく行くとぶにりと踏まれる。
頭を上げれば、ニンマリと笑った海と視線が合う。
「るぅるぅはお腹空いたのだー」
「ぁあ? ソレが挨拶かぁ〜? ん、ん?」
にやにまと踏んでくる重みが強弱をつけられる。るぅるぅにとっては撫でられてるようなものなのだ。
「久しぶりなのだ♪ るぅるぅは元気なのだ。アミも元気そうなのだー」
しゅたりと片手を上げようにも身動きが取れない。
ランチを食べに入れ替わりで帰って来た者に久しぶりの挨拶。
ランチを一緒に食べてころりお昼寝。
みんなそれなりに忙しいのだー。
「一守琉伊なのだ! 行動方向性を正式決定するまでよろしくなのだ!」
学校から帰ってきた渚に人の姿を披露。
人の六歳くらいの外見。黒髪、赤みの強い茶の瞳。できるだけの違和感を減らす外見。
もう少し、夜になれば年齢も上げられるはずなのだ。
お手軽に渚に抱っこされた。近いのは嬉しいがちっちゃい子扱いは微妙。
「このくらいのサイズなら昼間も一緒に遊べるのだ~」
本体はあんまり晒しとくのは良くないらしいからな。
ちゃんと環境に合わせて生きていくことぐらいできるのだ!
渚の腕の中を堪能しつつ、周囲を見れば、……!?
な、なんでシンがここにいるのだ!?
「シンは、ち、ちょっと、過保護が過ぎるのだ」
るぅるぅの反応を不思議そうに眺める渚にだけ小さく囁いておいた。
るぅるぅはうろなの町にまたやって来たのだーー!!
小藍様
ホテルブルースカイプライベートエリア&青空海ちゃん渚ちゃんお借りしております。