下準備① ぱるぱにえ
『オーナー。アクセサリの材質・性能・電波・性質。方向性等の解析が終了いたしましたので返却いたします』
報告をいたします。
「うん。ありがとう。パルパニエ」
オーナーは静かな返答と共に小さく繊細な測定器を受け取り、パチリと留められます。
『落ち込んで、らっしゃいます?』
心持ち沈んでいるようにも見えて気になったので声をかけます。
「渚の声は聞こえる。それだけで満足すべきなんだろうな」
測定器は時折り報告先を求めて稼働。しかし見つからない状況では休止してエネルギー消費を抑える機能。なかなかに興味深い性能でした。
『わたくしには判断いたしかねますわ』
しょんぼりと退室なさるオーナーを見送ります。
室内は相変わらず暗いです。
オーナーもわたしくも照明がなくても問題がないので省エネです。
『さて。オーナーもいかれましたし』
私はプログラムを立ち上げます。
言語情報はオーナーの持ち帰った幾つかの資料から拾い上げました。
【はじめて通信いたします。
スポットの確認は貴女の作製なされた端末より分析させていただきました。
パルパニエと申します。】
名乗りの一文。
【作品はとても興味深く
よろしければ、めるともになっていただけると嬉しく思うのです。】
【01:11。また通信させていただきます】
うふふ。
こっそり通信です。添付画像はベッドで暴れる似非肥満体型のオーナー・幼竜モードですわよ。
オーナーの想い人はお答えくださるかしら?
その後、スポットにアクセス。通信の成功率を高める手法を駆使する時間はとても良い時間でした。
空間変動率と時空軸、固定化要素の特定。計算使用数値の共通化。相互言語の共通手法。
これらの計算を『なんとなく』で特定行使なさるオーナーを恨めしく思ったのは、通信相手との秘密の愚痴なのです。
『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』
http://ncode.syosetu.com/n7439br/
青空渚ちゃん、お名前お借りしております。