箕輪まどかの実力テスト(四百文字お題小説)
沢木先生のお題に基づくお話です。
「100点」をお借りしました。
私は箕輪まどか。中学生の霊能者。
本日は恐怖の日だ。決してお麩のお味噌汁とかいうベタな話ではない。
実力テストの結果が返ってくる日なのだ。
得点の結果次第では、家出をしないといけないかも知れない。
私の可愛さにメロメロのお父さんは優しく慰めてくれるけど、鬼婆、いや違った、お母さんは激怒するから。
「箕輪」
クラス担任の顔の大きい藤本先生が私を呼んだ。その横で副担任の椿直美先生が微笑んでいる。
恐る恐る紙を受け取り、そおっと覗き込む。
「え?」
100点。おお! 凄いぞ、まどか! 思わずガッツポーズだ。
まさか夢とか言うオチじゃないよねと思いながらクラスメートの力丸卓司君のほっぺをつねった。
「痛いよ、箕輪」
そう言いながらも嬉しそうなリッキー。まだ私に気があるのかしら?
ルンルン気分(今時誰も言わないとか言わないでよね!)で席に戻る。
「げ」
そしてハタと気づく。
実力テストって四百点満点だった……。
家出確定のまどかだった。
お粗末って言わないでよね!(by まどか)