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男子高校生、悪役令嬢に転生して断罪されましたが 、追放の瞬間に記憶が戻ったのでハーレム作って魔王ぶっ倒します  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


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18/20

マルム村を出るグローリア

 次の日早朝、俺は纏めた荷物を確認していた。

 これで村を出る準備は整っている。


「お嬢様、本当にこの村を出ますか?」


 ルーチェが念押ししてきた。

 朝早くで、まだ滞在することは可能だから。

 ここに居れば、安全ではある。今のところは。

 だが、俺がグローリア・ルイーザ・ネウムだって知られては、このまま

 俺は一瞬迷うものの、一昨日の通達や村の噂、そしてあの子との会話を思い出す。


『ねえ、お姉ちゃん達は聖女様を信じるの?』


 やはりこの言葉が頭に残ってしまう。

 もしもーー『聖女を害そうとした女』だと知られたら。

 あの子は、俺をどう見るだろう。


『お姉ちゃん達は、悪魔なんだね』


 そう言われて、俺達の心が傷つくことになる。

 ーーそれを聞くくらいなら、名前を捨てて進む方がいい。

 だから、早めに移動しないと。

 逃げるわけじゃなくて、自分で移動する形だが。

 UIで確認する。


ーーーーーーーーーー

◆出立準備完了

・所持金:安定

・村滞在リスク:上昇傾向

・推奨行動:移動

ーーーーーーーーーー


 移動の準備は出来ているみたいだな。


「ええ。行きましょう」


 ということで、俺達は移動をすることに決めたのだった。

 マップもここじゃなくて、別の方向を指している。


「分かりました」


 ルーチェは頷いている。

 これでこの村とは別れることに。

 俺は部屋を出ていって、朝ご飯を食べた後に、お世話になった宿屋からチェックアウトを。


「お世話になりました」


「気をつけてな」


 数日泊めてくれた事に感謝を伝えると、宿屋の主人から簡単な一言を。

 気をつけて、か。

 それの言葉は、忠告じゃない。

 ーー祈りに近かった。

 俺の姿は令嬢だし、ルーチェの二人だから、なお刺さる。

 命を大事にしないとな。


「まあ、気持ちいいわね」


 朝霧が村を包んでいた。

 視界はぼんやりとしているが、歩けないほどじゃない。

 村の出口へと向かって歩いていくと、農作業をしている村人が見えた。

 朝早くから大変だな。


「笑い声が聞こえるわ」


 その方向を見てみると、ぼんやりだけど子供達が笑っている。

 楽しそうだな。

 少なくとも今は、あの笑い声は消えていない。

 俺がいたら、その笑い声が消えるのだろうか。

 聖女を信じているみたいだからな。

 俺は彼女の敵だからな。


「お、君達、村を出るの?」


 最初の依頼人の青年と出会った。

 姿を見て察したみたいだな。


「ええ。次の場所へと」


「そうか。頑張ってな、また村に来たときには、依頼を頼むな」


「分かりましたわ」


 彼からそんな言葉が。

 嬉しくなるけれども、次を受けられるのだろうか。

 分からないが。

 ここは、悪役令嬢を追い出す場所じゃなかった。

 それでも、居続ける場所じゃないのは分かる。


「これでマルム村から離れるのね」


 ついに村を示す簡素な木の標識が。

 これを越えたら、街道へ。


「ここから先しばらくは、助けを簡単には得られません」


 ルーチェが俺に伝えた。

 そうだな。

 魔物が出てくるだろうから。

 多少怖い気持ちはある。だが、立ち止まっていられない。


「だから、わたくしは行くのよ」


「ええ。私もついていきますよ」


 ルーチェは微笑みながら、俺の後ろを歩いていく。

 こうして、俺達は最初の村を後にしたのだった。


「次はシエラニコシエね」


 マップの方向を頼りにしながら、歩いていく。

 ここから先は、村か街に着くまで誰も俺を守ってくれない。

 だからこそーー俺は自分で進む。


ーーーーーーーーーー

◆エリア離脱

マルム村 → 街道

・危険度:上昇

・安全圏:解除

ーーーーーーーーーー

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