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男子高校生、悪役令嬢に転生して断罪されましたが 、追放の瞬間に記憶が戻ったのでハーレム作って魔王ぶっ倒します  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


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マルム村での噂

 マルム村へ戻ると、空に橙色が見え始めていた。

 やっぱり距離があったんだな。朝早くから出かけていたのに。


「さてと、この村も明日には出るのね」


 数日しか居なかったがな。

 もうちょっと拠点にしても良かった気はするが、仕方ない。


「長居しすぎるのも、良いことになりませんから」


 依頼だってそんなに多くはない。

 他の旅人と取り合う事になるだろう。

 銀貨を稼ぐ手段だって、限られることになる。

 それならば、あの行商人が言っていたシエラニコシエへ行った方が良いだろう。


「エミリアの事が、村に広がっているでしょうから」


 歩いていると、立ち話をしている老婆達の話が耳に入った。


「どうやら王都で聖女様が現れたって話を聞いたが、本当なのかい?」


 聖女様、つまりエミリアの事だな。


「そうなのよ。しかも王太子様とご婚約らしいの」


「まぁ、それはありがたいことだねぇ……」


 手を合わせていて、救ってくれることを期待しているようだった。

 ここまで広がっているとは。


「これは、仕方ないですよね」


 昨日の通達によって、な。

 しかもいつの間にか聖女候補から本当の聖女になっていたし。


「それにわたくしの事も知れ渡っていると思うわ」


 通達では”前婚約者”のみ。

 ただ事情を知っている人には前婚約者が”グローリア・ルイーザ・ネウム”だって知られている。

 顔がほとんど知られていないだけマシなのだろうが。


「聖女様がご婚約ということは、前の婚約者はどうなっているんだろうか?」


 別の村人が噂をしていた。


「さあ。処罰があったらしいって聞いているが」


「そうなのか。こっちの噂だと、幽閉されたって」


「へぇ~」


 噂に尾ひれがついているんだな。

 それくらいは仕方ないだろうが。


「ねぇねぇ、お姉ちゃん達!」


 子供がこっちに駆け寄ってきた。

 完全にわくわくした様子で。


「どうしたの?」


「聖女様ってすごいんだって!」


 子供もエミリアの話をしようとしていた。

 嬉しそうな表情をしているし、悲しませたくないから聞くことにした。


「奇跡でぼく達を救ってくれるんだって! それに、魔王や魔物からも守ってくれるって!」


 どんな奇跡なんだろうな。

 俺には持っていないものだな。

 持てる訳のないものだが。


「それはわたくしも期待したいわ」


「だよね!」


 子供が喜びながら、聖女の奇跡を信じている。

 しかもこの子の発言には、一切のウィンドウが出てこない。

 つまり真実ということだ。

 これは、裏切りたくない。

 もし可能なら、多少なりとも俺が奇跡みたいなこと、魔王や魔物から守るという感じのことが出来ればいいが。


「ねえ、お姉ちゃん達は聖女様を信じるの?」


 純真な目で俺達を見ていた。

 これは裏切れない。


「ええ」


「勿論です」


 微笑みながら肯定の返事をする。

 本当にエミリアが”聖女”ならな。

 するとウィンドウが出てきた。


ーーーーーーーーーー

【真偽解析 発動】

対象の発言:肯定

判定:虚偽

ーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーー

【真偽解析 発動】

対象の発言:『勿論です』

判定:一部虚偽

備考:期待と不信の混在

ーーーーーーーーーー


 おい。

 そこは正直なんだな、UIって。

 しかも、ルーチェもある程度否定しているということか。

 何となく嬉しいな。

 考えの方向が同じだから。


「良かった! じゃあ、またね!」


「気をつけて帰るのよ」


「うん!」


 子供はそう言いながら、俺達を後にした。

 あんな子供にまで浸透しているなんてな。

 世界の補正ってどうなっているんだ。

 エミリアというか、ヒロイン中心になっているな。

 悪役令嬢中心っていうのもおかしいが。


「さて、戻りましょうか」


 より空は、橙色を占めていた。

 時間が経っているんだな。


「早いうちに出ましょう。私達の事を完全に知られる前に」


 俺達はそう言いながら宿屋へと戻っていった。

 明日はまた旅だ。

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