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悪役令嬢、ただいま国を立て直し中  作者: AAA
第二部

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第七章:紅茶館での秘密暴露と同盟

紅茶館の午後、窓から差し込む光がカウンターを照らす。

ヴィオレッタはいつも通り微笑み、レオンとアレクサンドルを見渡す。

しかし、心の奥では先日の香りによる違和感がまだ残っていた。


ヴィオレッタはカウンターに手を置き、アレクサンドルをじっと見つめる。


「……アレクサンドル様。」

その声には微かに冷たさと鋭さが混ざる。


アレクサンドルは微笑を浮かべ、落ち着いた様子でカップを持つ。

「はい、ヴィオレッタ様。どうなさいましたか?」


ヴィオレッタの瞳は真剣だ。

「……あなたが差し出す紅茶……あの香り。

まるで、私たちの記憶や印象を操作しているかのように、微妙に曖昧な気分にさせますわね。」


アレクサンドルは一瞬、微かな笑みを消すが、すぐに冷静さを取り戻す。

「……記憶操作ですか?」

声には軽い驚きが混ざる。


ヴィオレッタは一歩近づき、カウンター越しに視線を鋭く光らせる。

「……ええ。あなたの仕草や表情、さっきまで見えていたのに、何かを見逃しているような気がしますの。

この紅茶、ただの香りではありませんわね?正直にお答えください。」


館内には緊張が走る。

レオンは眉をひそめ、手をぎゅっと握る。

「……まさか、あの香りで操作していたのか?」


アレクサンドルは一呼吸置き、静かに頷く。

「……その通りです。紅茶には、微かに記憶や印象を曖昧にする香りを仕込んでいました。」

しかし表情は柔らかく、威圧的ではない。


ヴィオレッタは唇を薄く結び、じっと彼を見つめる。

「……なるほど。だから、ここ数日のあなたの言動が、妙に計算されて見えたのですわね。

ですが、任務だとしても、私たちの自由意志を操作するのは……軽んじてはいけませんわ。」


アレクサンドルは静かに頭を下げる。

「……おっしゃる通りです。ヴィオレッタ様、決して軽んじたつもりはありません。

ただ、隣国の任務上、情報を収集する必要がありました。」


アレクサンドルは微笑を崩さず、続ける。

「任務として情報を収集するつもりでしたが、紅茶館で過ごす日々は任務以上に価値のあるものでした。

ヴィオレッタ様、そして館の皆様のおかげで、私はただの観察者ではなく、心から楽しめる時間を得ることができました。もちろん、任務は任務として行っていましたが……お嬢様、ヴィオレッタ様に出会い、紅茶館で過ごす日々は、任務以上に楽しいものになりました。」

その瞳には真剣さと、ほんの少しの温かさが混ざっている。


ヴィオレッタはカップを手に、落ち着いた笑みを浮かべる。

「……ふふ、紅茶館では任務も、笑いと小さな事件に変わりますのね。」

胸の内では、アレクサンドルの存在がただの青年以上であることを確信していた。

アレクサンドルはそっとカップを置き、リラックスした様子を見せる。

「任務中でも、紅茶館の皆様やお嬢様の観察は欠かせませんでした。ですが、今日、こうして真実を明かせて安心しています。」


レオンは静かに肩をすくめる。

「……なるほど、そういうことか。任務を越えて、この紅茶館の時間を楽しんでいたのか。」


ヴィオレッタは両手を組み、微笑みながら言った。

「……ふふ、レオン。ならば、この香りの策略も、抗議するより同盟を結ぶきっかけに使うほうが賢明ですわ。」


アレクサンドルは少し照れたように微笑む。

「……お嬢様のお言葉、まさにその通りです。」

アレクサンドルはさらに一歩前に出て、真剣な表情でヴィオレッタを見る。

「そして……ヴィオレッタ様、お願いがあります。

私と結婚して、紅茶館の平和な日々を、私と一緒に歩んでいただけませんか?」


館内が一瞬静まり返る。

ヴィオレッタは驚きつつも、落ち着いて答える。

「……ふふ、アレクサンドル様、嬉しいお申し出ですわ。しかし、すぐにお答えできませんの。

まだ考える時間が必要ですわ。」


レオンは顔を真っ赤にし、慌てて声をあげる。

「……えっ、な、何だって!?ヴィオレッタ、どういうことだ!?」

リュシアンは思わずティースプーンを握りしめ、ヒヤヒヤする。


アレクサンドルは微笑を崩さず、落ち着いた口調で言う。

「……構いません。お答えはゆっくり考えてください。まだ私には1つお伝えできていないことがあります。後日訪問いたしますので、改めてお聞かせ願えませんか。」

レオンはまだ混乱気味だが、心の奥でヴィオレッタを信頼しつつ、なんとか落ち着こうとする。


アレクサンドルの秘密が1つ明かされた今、三者の間には政治的な協力関係、また恋の火花が芽生えた。


紅茶館の午後は、今日も少しの策略、そして恋の火花で彩られたのだった。

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