Chapter01〜02:用語辞典
登場順に紹介していきます。
◾️Chapter02:用語解説◾️
⚫︎ 守護獣⚫︎
守護獣とは、星そのものを護るために生まれた生命体。善悪もなく、神出鬼没であり攻撃性はなく普段は姿を見せることもない。大地を流れる理力の根幹から自律的に生まれた意思ある理の防衛機構であるとされている。
⚫︎ 魔物懐柔⚫︎
ラピスが生まれつき有している特異な固有スキル。理力の波長を魔物と共鳴させ、敵意を鎮めて心を通わせることができる。これに近いものでは強制的に支配する「使役魔法」があるがそれとは異なり、相互の信頼と穏やかな理力同調によって絆を結ぶのが特徴。この力により、通常は敵対関係にある魔物であっても友好的に従わせることが可能で、スライムのスラチャビもこの力で仲間となった。
⚫︎ 癒しの雫⚫︎
水属性の初級回復魔法。掌に集めた理力を清き水へと変換し、対象の傷口や身体へ触れることで癒しの効果を発揮する。熟練者が使用すれば、複数人を同時に癒す範囲回復も可能である。【水の適性者】にとって最も基本かつ重要な魔法とされている。
⚫︎ 癒しの雨⚫︎
水属性の上位回復魔法。使用者の理力を雨粒状に変換し、一定範囲へと降り注がせることで広域に癒しの効果を与える。小さな傷だけでなく、重度の外傷・毒・呪詛などにも浄化と再生の効力を発揮する。高い集中力と持続的な理力制御が必要なため、熟練した【水の適性者】のみが使用可能。発動時には淡い水光が空へ昇り、静かな雨音と共に癒しの気配が辺りを包むという。
⚫︎ 煌羽⚫︎
ラピスが初めて習得した固有スキル。現時点で由来理力は不明。ラピスの背にある羽が光を放ちその光を見た生物に幻惑を見せる。その症状は様々な模様。ダメージは与えられないが混乱状態にすることで戦況を変えることが可能。
⚫︎ 理導杭⚫︎
敵国ヴァルディアが独自に開発した黒い霧を抑制するための地中に打ち込む柱状の結晶体。理導杭開発のために黒い霧を採取する必要があり、その採取現場、もしくは開発途中の実験で数多くの犠牲者が出たといわれている。
本来の使用法としては1本だけでなく3本〜7本で陣を構成して設置する。理導杭りどうこうの中には封印術式が組み込まれておりその術式を組むのに必要な鉱石は光の理力が宿っているという稀少な石だとされている。
⚫︎ 聖なる光域⚫︎
光属性の上位結界魔法であり、理導院の残す記録にも残っている召喚魔導士が使っていたとされる「守護の極致」とも呼ばれる魔法。使用者の理力を聖域の光へと変換し、一定範囲にわたる結界を展開する。この結界内では外部からの攻撃や黒の力の干渉を大幅に無効化し、同時に味方の理力を安定化させる効果を持つ。強力な防御能力に加え、内部の空間は穏やかな光に満たされ、黒い霧や汚染された理力を浄化する特性を持つ。
発動時、フィオルの周囲には無数の光片が浮かび上がり、静かに旋回しながら聖域を形成する。その光景は“希望の盾”として語り継がれている。
⚫︎聖焔降臨⚫︎
光と火、二つの理力を融合させた高位複合魔法。火の理力に適性したフィオルが突発的に編み出した攻撃魔法であり、彼の「守るために戦う」という信念が形となった一撃。
発動と同時に、天から光の柱が降り注ぎ、その中心に紅蓮の焔が重なる。純白の輝きと紅の炎が一体となり、触れるものすべての闇と穢れを焼き尽くす。
通常の火属性魔法とは異なり、破壊ではなく浄化の焔。として機能し、実体のある黒い異形にはもちろん、実体のない黒い霧にも絶大な効果を発揮する。
⚫︎ 二理魔導士⚫︎
二つ以上の理力属性を同時に扱うことができる希少な魔導士の称号。理力の流れは本来一属性ごとに異なる波長を持ち、複数属性を操ることは人体構造上ほぼ不可能とされている。
しかし、ごく一部の者(百人に一人ほどの)は生来または特異な覚醒によって二属性を同調させる素質を持ち、その者を理導院では二理魔導士と記録していた。
◾️Chapter01用語解説◾️
⚫︎理力⚫︎
この世界の理とされる七つの力。火、水、氷、雷、風、光、闇を指す。星の地下を流れるエネルギー物質でありこの星の性質そのもの。時間や場所や季節により地下を流れる理力は分量を変化させこの世界のバランスを保っていると言われている。(火山地帯では火の理が強く海では水の理が強い。など)
⚫︎アルセリア王国⚫︎
かつて大陸全土を統一した国家。本編の百年前世界を救ったとされる英雄の名を冠して建国された。魔導を司る『理導院』と軍事を司る『聖剣庁』が存在し国の政治を支えていたが理力の活用方法の思想の違いからやがて両派は対立を始める。そんな最中、この大陸に百年ぶりの厄災『歪み』が現れる。ここでも、歪みを鎮めるべきと主張する『理導院』歪みから溢れる霧を力に変えると主張する『聖剣庁』は対立。政治的な緊張が高まる中、国王が何者かにより暗殺された。両派は互いを王殺しの元凶と非難し合い、ついに武力衝突が起きる。『理導院』の指導者イリシアと、『聖剣庁』の指導者ヴァルディアの元、国は分裂。魔導国家イリシア王国と騎士国家ヴァルディア王国へと分断されることになった。
⚫︎歪み
現時点では、星の地下を流れる理力の均衡が大きく崩れた時地上に出来る亀裂とされている。詳しい原理は不明。
⚫︎黒い霧
現時点では、歪みから溢れ出る濁った理力の霧とされている。その霧は自然環境を汚染させ、人間を含む生命体が一定量身体に浴びてしまうと突然変異を起こす。この厄災の最大の脅威とされている。
⚫︎ 召喚魔導士
「七つの理力を操り、召喚獣を自在に操った」とされる百年前世界を救った英雄の二つ名。魔導士の極とされており幼い魔導士の憧れの存在。大人達にとっては神話の存在。
⚫︎ 刻印騎士
『 召喚魔導士』同様に世界を救うために必要な魔法陣を剣で刻んだとされた騎士の二つ名。騎士の極とされており幼い騎士の憧れの存在。しかし実際に存在したいたかは不明。
⚫︎おちこぼれコンビ
旧アルセリア王国の訓練学校の下級生クラスで毎日の様に誹謗中傷の的になっていた二人組。主人公フィオルとその幼馴染ロイのことを指す。
⚫︎ 聖光の矢
光属性の中級攻撃魔法で幼いフィオルが初めて習得した魔法。使用者の理力を光に変換し、一直線に放つ収束光線を生み出す。フィオルが扱う攻撃魔法の中では最も基本的かつ、彼の精神性を象徴する技でもある。浄化しながら打ち抜く特性を有する。
⚫︎大歪み
本編の十年前に、百年ぶりにこの世に現れた歪みの名称。十年間、拡大を続けてあまりにも巨大化してしまったことからそう呼ばれている。
⚫︎ 黒い異形
人間を含む生命体が黒い霧を一定量身体に浴びて突然変異を起こした怪異。(汚染度によっては植物や鉱物なども変質の対象となる) 身体が黒く染まり、元の形を保ちながら異常な再生力と攻撃性を持ち、理性は完全に失われ、理力に飢えた状態で生き続ける。
黒霧の濃度や曝露時間にまたは汚染前の性質や能力により、変異の度合い(E~Aランク)が異なる。一部の高位個体は、属性理力(雷・炎・闇など)を扱うこともある。
⚫︎ 聖光の帳
光属性の中級結界魔法。使用者の理力を光壁に変換し、味方を包み込む半透明の防御膜を展開する。フィオルが最も得意とする魔法であり、彼の「仲間を守りたい」という信念を最も体現した魔法でもある。
⚫︎エルフ
フィオル達の住む世界で、伝承で語り継がれている種族。森と風と共に生き、一部のエルフは星と対話できる精霊として語り継がれている。
⚫︎聖樹精霊(選ばれた血筋)
フィオル達の住む世界で、伝承で語り継がれている種族。しかし聖樹精霊について書かれた書物は残っておらず、ごく一部の人間しかその伝承を知られていない謎の多い伝承。
⚫︎蒼天の塔
旧アルセリア王国(現イリシア王国)を象徴する尖塔。かつての理導院の本部や、魔導士達の訓練所とされる試練の回廊、広大な間取りの書庫がある。現イリシア王国の王宮かつ国の最高機関。
⚫︎光の適性者
光の理力を扱うことの出来る者。イリシア国内ではフィオルのみとされていて、実質的にフィオルだけの二つ名。
⚫︎イリシア城下町
中央に聳え立つ『蒼天の塔』を囲む様にして円状に広がる街構造。大陸最大の都市であり、街の至る所に浮遊灯や水路が張り巡らされている。昼は魔導士や弓兵、近衛兵や訓練学生で賑わい、夜になると浮遊灯が一斉に灯り街全体が星空のような光景を生み出す。




