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2022

「いいじゃないですか!ムーンショット、不可能に近いが、成功すれば大金が転がり込む!(ねえ)さん、ギャンブラーだね。」

奴に言われて、『ムーンショット』の意味を検索した。

私が間違っていた…


確かに、奴の言う通り、叶わないような途方もない夢だが、叶えば凄い。と言った意味だった。


「まあ…アポロと言うより、私の場合は『かぐや姫』だわ。」

「へへっ、ロマンチックですね。」

「…一方通行…帰る道なし。って感じなんだけど。」

私は深いため息をつく。

月、私が行くとしたら、それは死ぬ時のお迎えしかない。

「そうだとしても、諦めないのでしょ?アームストロングのように。」

奴は少し、照れたように天井を清々しく見上げる。


ニール・アームストロング…


そんな大物の世紀の国家計画と、私の未完を並べないでほしい(T-T)


なんか、空虚な気持ちになる。が、同時に、ニールもまた、一方通行で終わる覚悟を持っていたのかと、なんだか、リアルに感動する。


が、今は、そんな事はどうでもいい。

もう、イベントの締め切り、ギリギリなんだから。

ため息と共に、現実に戻り、克也が来ない事に諦めの気持ちになる。


結局、また、意味の無い話を作ってしまった。


この一ヶ月、様々な『コンタクト』について考えた。

今年書く予定だった続編のキャラクターを使う物語や、前回の話の別バージョン、昔、好評だった時代作品の番外…


しかし、どれも、書き始めると長くなりそうな予感がして、踏ん切れなかった。


で、奴の登場する作品、『ミステリー大賞』の話をイベント用の短編にする事にした。


この話は、春イベント作品をそのまま書き続けたもので、本来なら、章完結で、一息ついている予定だった。


が、ここに来て、Y氏の作品と共に、エタの沼に落ちて転げまくっているのだ。


「まあ、なんでもいいや。とにかく、短編、作らなきゃ。」

私は気持ちを入れ替える。

そう、時間は有限で、私は一人でも書かなきゃいけないのだから。


「オーケー、手伝うよ。」

と、奴にウインクされても…何をしてくれるというのだろう?

「じゃ、ま、話を聞いてくれる?」

私はノートを取り出して今までの話を書き始めた。



私は奴と1922年の世界を探していた。

『ミステリー大賞』最新章は西条八十の『トミノの地獄』をテーマに短く終わる予定だった。


これは、『トミノの地獄』と言う詩と不気味な都市伝説、そして、私的新解釈を披露して終わる予定だった(T-T)


で、色々あって、『ファティマの予言』と関連した。

それをさらっていたら、1922年にたどり着きそこから、『トミノの地獄』の発表された1919年の地獄の気配に混乱したのだ。


1919年…『トミノの地獄』が発表される前の月の4月。ファティマの聖母の予言を聴いた少年が病死する。


私はこの出来事を詩と絡めて、なんか、いい感じに終わらせようと考えた。

作者の西条先生は、この詩について語ってはいない。

どちらにしても、『藪の中』好きに書けばいいと思っていた。


が、1919年、この年、内部崩壊をはじめたドイツ帝国の領土を巡りポーランドとロシアが戦うことに。


で、その時、ファティマの聖母に指摘された、未来の法王はモスクワにいた。

そして、この年第一次世界大戦を終わらせるために尽力したアメリカ大統領ウィルソンは、ポーランドとロシアが争うなか、脳溢血で倒れるのだ。


なんだか…昭和の転生悪魔少年の映画を思い出して身震いした。


ついでに言うと、この時、戦いに巻き込まれたウクライナ…いや、この地域の人達は、100年後の2022年に…またもや戦禍にみまわれる。


出来すぎた年表マジックに混乱した。


が、これで終わらない。

2022年

この年の最後に舞い込んだニュースを思い出したからだ。

2022年12月31日、マラキの予言の最後の法王と噂されたベネディクト16世が崩御されたのだ。


ベネディクト16世は、法王を辞任した。

普通は亡くなるまでが任期の法王を…それは異例の事で、様々にオカルト民は噂した。


滅亡が噂された2012年が終わって僅か数ヶ月後の話だった…


600年ぶりの辞任劇…そうまでしても…見えないなにかが追いかけてくるように…法王は崩御した…2022年に…その事に、私は頭がぐるぐるしてきていた。



昔、ノストラダムスの予言の本は口々に私に教えた。

ヨーロッパでは詩人は、予言者の意味もあるんだ、と。


私は西条八十と言う詩人に、それと同じ匂いを感じてゾクリとした。


そして、たまたま開いたY氏の本が、ここに来て、また、新しいネタをぶっこむΣ( ̄□ ̄)!


1922年にドイツの秘密結社がUFOの製造に成功したと言うのだ!


はぁ?


と、混乱しながら調べる私に…衝撃的な事実が検索される!


1919年、ルドルフ・ヘスが学生として大学に入学、そこで、ハウスホーファーと知り合うのだ。



「あれ?卯月(うづき)さん?」

声をかけられて驚いた。


振り向くと…そこには克也がいた。

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