ゆめのなかでキミとおはようを
冬の童話祭に参加したくて、書いてみました。
よろしくお願いいたします。
キミと会うのはいつも、ゆめのなかでした。
ゆめだから寝ているはずなのに、キミと会うと必ず「おはよう」とあいさつをします。
なぜなら、ゆめのなかの世界はいつも朝から始まるからです。
今日もキミと会います。
「おはよう」
「おはよう! 今日はなにをしようか?」
ボクは小さい声で、キミは元気な声で「おはよう」と言います。
そしてキミはいつも、ボクになにをするかを尋ねます。
だから、その日の気分でボク達の遊ぶ内容が変わります。
でも、不思議な事があります。
それは……起きたらいつもキミの姿が思い出せないことです。
ゆめのなかでは、くっきりとしているのに。
ゆめのなかのことは覚えているのに。
なぜだか、キミの姿は起きたらあいまいです。
ボクはいつも起きると寂しくなります。ずっと寝ていたいと思います。
ゆめのなかでは、みんな幸せだから。
ゆめが現実になればいいのにとすら思います。
そんな日々が続いて、ボクは思いました。
本当に、ゆめを現実にしてしまえばいいのだと。
ボクは、ゆめのなかのような平和な世界をつくると決めました。
そのために、ボクはお勉強を頑張ることにしました。
いつか……ゆめのなかのキミに、胸を張って「おはよう」を言うために――。
読んで下さり、ありがとうございました。