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四天王討伐会議

『ふっふっふ、ウケる話しても頷くだけで無口だし、頭を撫でても無抵抗で無表情だった筋金入りだ。あの子は感情表現が苦手なだけできっとオレのこと好きだったんだろうな……』

「そ、そうすか」


 彼女が六代目をどう思っていたのかは不明だが、俺と冒険をしているときのエレナは表情豊かでよく喋る少女だった。

 打ち解けていなかった最初期こそお互いロクに喋りもせず距離を測っていたが、最初の冒険で道の通せんぼをしてきたなんかクソデカいドラゴンをぶっ飛ばした頃にはすっかり仲間として受け入れてくれていた。

 それを踏まえると単純に六代目に対する彼女の好感度が低かっただけに思えるのだが──それは果たしてどうだろうか。


 もしかしたら俺の前では頑張って話をしているだけで、本当は感情表現の希薄な少女という可能性もある。

 それはそれで何というかそそられるものがある。

 胸を触られて照れるのももちろん良いのだが、無表情で無抵抗なまま気にしないのも中々に興奮を煽る反応だ。

 気になる……本当はどっちなんだろう……。


『スライムからも庇ったし、確実にオレのことが好きだったはずだ。だって今でもオレの墓を掃除しに来てくれるしな』

『六代目の思い込みがすごいなぁ。エレナちゃん、ウチのもやってくれてるんだけども』

「あの、先輩方。そろそろアンタらを倒した四天王の話を教えてほしいんですけど」


 雑談にきたわけではないのだ。

 こんな薄暗くて不気味な場所はさっさと去るに限る。


『あぁ、あの指輪つけてる骸骨みたいなやつだろ。……名前なんだっけ?』

『ウチも忘れちゃった』

「……はぁ、まったくしょうがない先輩たちだな。確か……そう、ポコチンですよ」

「間宮ちがう。ロモディン。ポコチンじゃない」


 サッカーから解放された親友を交えつつ、同じ国に生まれ同じ国で育った同胞たちと、その彼らを葬った怪物をやっつける作戦会議が始まった。

 おっぱいは揉む。

 四天王も倒す。

 両方やらなくてはならないってのが、今代勇者のつらいところだ。


『あいつ雑魚モンスターに変装して群れに紛れるから結構厄介なんだよな。死ぬ直前に気づいたから遅かったけど』

『おかげで弱い魔物に殺されたよわよわ勇者として、歴史に名を刻まれるウチらなのであった』

「そういえばポコチンの野郎が変装してた姿って何か共通点とかありました?」

「間宮。ロモディンだって」

『ウチの時のポコチンは~……スライムとかゴブリンとかだったかなぁ』

『オレとやりあった姿は中サイズのオークだったぜ。たぶん飛行する魔物には変装できないな、ポコチンのやつ』


 なるほど、つまり。


「ポコチンにも穴はある……ということですね」

「だからロモディ──」

「さっきからうるせェぞ翔太郎ッ! ちょっと黙ってろ!」

「えぇッ!?」


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